2019年08月16日(金)

第3回 極生プロテオグリカンは、何が違うの?

プロテオグリカンは、抽出する方法や条件によって、分子量が異なってくることがわかっています。 2001年に開発された食酢を用いた抽出法では、分子量は45万くらいです。一方、抽出条件を変えることで、分子量は120万くらいを保ち、壊さずに非変性のまま抽出することが成功しています。

 この2つのプロテオグリカンは、残っている活性部位が異なります。例えば、分子量120万の非変性のプロテオグリカンは、上皮成長因子(EGF)と線維芽細胞増殖因子(FGF)の様活性を調べると、両方の活性が示されます。お肌で説明すると、お肌の表面と深層の両方で細胞を増やす作用があるのです。一方、部分変性したプロテオグリカン(分子量45万)では、上皮成長因子の方しか示されませんでした。線維芽細胞増殖因子の活性を持つ部分が欠損していると考えられています。

 さらに、近年では、多角度光散乱検出器という特殊な機械を用いることで、実は、分析中に非変性プロテオグリカンと非変性プロテオグリカンをつなぐヒアルロン酸鎖が切れていただけで、2~3個の非変性プロテオグリカンが複合体として存在することも解明されてきています。そのプロテオグリカン複合体の分子量は250~350万であり、生のプロテオグリカンの状況に極めて近いプロテオグリカン(;極生プロテオグリカン)が存在することも明らかになっています。

 この極生プロテオグリカンの特徴は、線維芽細胞増殖因子ファミリーである角質細胞増殖因子(FGF7、KGF)の様活性を有することです。極生プロテオグリカンは、その分子量の大きさより高いバリア保湿機能が期待できますが、さらに、肌の一番表面の角質細胞の再生を促すことで、細胞レベルの保湿力強化も期待できることがわかってきているのです。

 これが従来のプロテオグリカンと極生プロテオグリカンの大きな違いであり、現在、極生プロテオグリカンの原液化粧品が爆発的に販売量を伸ばしている理由なのです。また、角質細胞増殖因子は毛髪成長因子の要素を持ち、近年は、発毛剤成分としても注目が高まりつつあるのです。

 

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