2020年12月04日(金)

中野由美子の「地球環境に優しいハラール的、健康美生活 第5話」

 「コーヒーは健康に良いです」

 もし皆さんが、こんなふうに誰かに勧められたらどう思いますか?ハラール認証を取得しているコーヒー豆だとしても、そして日常生活において普通にコーヒーを飲んでいる人でも、「コーヒー=健康に良い」と素直に受け入れられる人は決して多くないのではないでしょうか?

 

 「赤ワインに含まれるポリフェノールは健康に良いです」

 でもこのフレーズだったら受け入れられる人って、多くいるのではないですか?体にいい成分としてメディアでも一時期盛んに取り上げられたポリフェノール。そのポリフェノールの含有量が多い赤ワインは結果として体にいいのでは?と認識している人は多いと思います。

 

 ではコーヒーには赤ワインと同じくらいポリフェノールが入っているって言われたらどうでしょう?正確には、赤ワインに含まれているアントシアニンがポリフェノールの1種であり、コーヒーに含まれているコーヒーポリフェノールやお茶に含まれているカテキンもポリフェノールの1種です。つまり、コーヒーは赤ワインやお茶とはポリフェノールという共通要素を持った仲間と言えるのです。このように考えると、たしかに健康のためにコーヒーを飲むのって一理あるのかも・・・と思って頂けるのではないでしょうか?

 

 更に焙煎したコーヒーの中に含まれるポリフェノール以外にも、生豆に含まれているクロロゲン酸という成分もポリフェノールの1種であり、近年注目を集めています。生豆とかクロロゲン酸と言われるとピンとこない人でも「グリーンコーヒー」と言われるとピンとくる人も多いのではないでしょうか?このクロロゲン酸は、コーヒー豆の中から初めて見つかった成分で、メタボ予防や糖尿病の予防に効果を発揮すると言われています。残念ながらクロロゲン酸はコーヒーに含まれている他のポリフェノールと違って熱に弱いため、豆を焙煎するプロセスで消えてしまうので、生豆を挽いたグリーンコーヒーでないと摂取できません。焙煎していないのでコーヒー特有の風味こそありませんが、これから活動を開始する朝の一杯に私はこれを選ぶことが多いです。

 

 またコーヒーに含まれている代表的な成分にカフェインがあげられます。カフェインには眠気を抑制する以外にも、老廃物の排出効果、自律神経の働きを高める効果などが期待できることが知られています。ますます「コーヒー=健康に良い」と思えてきたのではないでしょうか?

 

 朝目覚めの一杯は、味が優しく代謝をアップさせやすい生豆を使ったグリーンコーヒーを。午後の眠気の防止には、香気たっぷりの焙煎コーヒーを。そして夜寝る前には、カフェインレスコーヒーでポリフェノールの抗酸化作用を取り込みつつ、ゆっくりと休む・・・。コーヒーの特徴や成分を理解した上で、皆さんのライフスタイルに応じて使い分けてみたら、それだけで日常生活に彩りが増していくのではないでしょうか?

 

 ただ何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。健康にいいからと言って赤ワインを大量に飲んだら体に良くないのと同様に、コーヒーも健康にいいからと飲みすぎるのは禁物です。皆さんの体質や生活リズムに応じて、ミルクを入れたり、軽食をつまんだりしつつ適量で楽しんでくださいね。そして、産地や製法など、体に優しい安心安全なものを取り入れていくのをお忘れなく♪

 

TOPに戻る