2021年01月08日(金)

『編集部オススメ素材3』 関節系や美容系素材のプロテオグリカン

プロテオグリカンとは?

 

ここ数年、テレビやチラシでプロテオグリカンという言葉を聞く機会が増えたと思います。プロテオグリカンは、美容ドリンクや関節向けサプリメントで活躍している素材です。近年は、ヒトでの有効性(膝関節炎、お肌のハリ・シワ・シミなどへの効果)が数多く報告され、プロテオグリカンの機能性表示食品も多く販売されています。

では一体、プロテオグリカンって、どんなものなのでしょう? どんなものから作られているのでしょう?  

プロテオグリカンとは、お肌や関節に含まれる保水成分です。コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどと一緒に存在しています。現在、主に氷頭(ヒズ)と呼ばれる鮭の鼻反骨から抽出されています。

このプロテオグリカンは、羽毛のような形状をし、ヒアルロン酸の鎖に生えています。実は、ヒアルロン酸と共に、お肌や関節の保水作用を担っている成分なのです。

どうして、コラーゲンやヒアルロン酸ほど知られていないのでしょう? それは、プロテオグリカンが壊さずに抽出することが非常に難しかったためです。一方、壊れて細かく分解された成分は、実はコンドロイチン硫酸(グルコサミンのお供)として有名だったりもします。

壊れない形での抽出が非常に難しかったため、プロテオグリカンは、1g3000万円という宝石なような価格で流通していた時代もありました。そして、2001年、弘前大学で鮭鼻軟骨からの食酢(酢酸)を用いた抽出法が開発され、低コストかつ高純度の条件でプロテオグリカンの大量生産が可能となりました。現在では、根室圏産業技術振興センターのグループの研究により、さらに壊れていない生の形により近い極生プロテオグリカンの大量生産も可能になっています。そして、その研究は、米国での特許取得や、ものづくり日本大賞・内閣総理大臣賞の受賞などと評価されつつ、ヒト臨床試験での効果の実証や絶対分子量の解明など、現在でも進化し続けています。現在、塗布でのヒト有効性データも示され始めており、今後、極生プロテオグリカンを配合した抗シワ化粧品なども増えてくると予測されます。

 

いろいろな形で食されるプロテオグリカン

 

プロテオグリカンは知らなかった方でも、知らず知らずにプロテオグリカンに触れていたりします。実は食べていたりもします。プロテオグリカンは、必ず軟骨に含まれている成分なので、鮭に限らず、どんな動物でも持っている成分です。実は、魚類に限らず、鶏軟骨の唐揚げにも含まれています。

そのプロテオグリカンは、様々な形で食されているのですが、一番有名なのは、コリコリとした触感が特徴の氷頭なます(鮭・サメ)です。生のままプロテオグリカンが酢の物として食されています。その他、火を通して軟骨を煮込むことで柔らかくして食されていたりもします。

皆さんの中には、魚の兜煮を作ったことがある方もいらっしゃると思います。ぶり大根でも、頭を梨割り(兜割り)される方も多いと思います。その際、頭の断面を見たことはないでしょうか? 包丁を入れた際、ザクっとした手ごたえを感じたことがないでしょうか? 写真に鮭頭の断面を示しましたが、鼻の部分に半透明な一帯が存在するのがわかるでしょう。それが鼻軟骨です。この軟骨の中に、Ⅱ型コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンが含まれているのです。そして、この鼻軟骨を生のまま取り出し、プロテオグリカンが抽出されるのです。

この軟骨部分は、軽く煮込むとやや弾力を残しつつ柔らかくなります。Ⅱ型コラーゲンやプロテオグリカンなどの成分が熱によって分解し始めているからです。さらに煮込むと(例えば圧力なべなどで煮込むと)、完全に分解してゼラチンやコンドロイチンなどの形でスープに溶けだします。そして、リン酸カルシウム層だけが残り、骨ごと食べることができるくらい柔らかくなってしまいます。実は、皆さんも、兜煮を食べながらプロテオグリカンを分解物として摂取していたりするのです。

北海道や東北地方の方にもっとわかりやすいのは、かすべ(エイ)の煮付けです。軟骨ごと食されていると思います。その中には、しっかりプロテオグリカンが含まれているのです。この様な形で、プロテオグリカンは、皆さんの身近にも存在していた成分なのです。

 

(取材協力/株式会社アンチエイジング・プロ)

 

 

 

 

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