2022年02月28日(月)

地球環境に優しいハラール的、健康美生活 第20話

皆さんは今年のバレンタインはどんな風に過ごしましたか?このコラムを書いている1月中旬は全国的にオミクロンが広まり始めていますので、もしかしたらまだまだバレンタインを楽しめる雰囲気にはなっていないかもしれませんが、やはり1年に1度の大切な行事として楽しんでいてほしいと願うところです。

 

 ちなみに、日本では女性が男性に愛を伝える日として定着していますが、世界的に見たら全然違うってご存じでしたか?

 

 アメリカや多くのヨーロッパでは、男性が女性に花やカードを送るのが定番と言われています。イタリアでは恋人同士がプレゼントを送りあうそうで、その際には「形に残るもの」をプレゼントに選ぶことが基本だそうです。国民の8割がヒンドゥー教のインドでは、結婚前の恋人同士が公の場でイチャイチャするのがNGという観点から、バレンタインそのものを禁止されていましたが、ミドル・ハイクラスの若者を中心に徐々に浸透しているそうです。そのインドでもやはり男性から女性にプレゼントを送るのだそうです。

 

 では、イスラム圏の国ではどうでしょうか?基本的には、「異教の慣習」、「未婚男女の交流を誘発」という観点から禁止とされていたようです。国によっては死刑もあり得るなんていう少し物騒な国もありました。ここで「~あった」というように過去形にしているのは、やはりインド同様に徐々に変化していることがみてとれるからです。とはいえ、まだまだ気軽に楽しめる!というほど開かれているわけではありません。さすがに絶対禁止!とは言いませんが、イスラム圏の国にいるんだという一定の配慮、一定の分別が必要と自覚して行動することをお勧めします。

 

 そんな中でもドバイだけは別格と言って良いのではないでしょうか。国の人口の8割を外国人が占めているということもあるのでしょうが、イスラム圏の国の中でもひときわ寛容な国として知られています。

 

 インドのように、ミドル・ハイクラスの若者を中心にバレンタインが広がっている背景には、海外との交流(留学、外国企業の受け入れなど)を中心とした若者の意識の変化が見て取れます。一方でドバイのように国の政策として異教徒のものを寛容に対応していくとなると別の見え方もできてきます。

 

 世界のバレンタインは日本と異なり、「チョコレート以外の贈り物」、「女性が主役」という2つのキーワードが潜んでいます。仮にバレンタインに対して寛容に受け入れることをドバイの国策の一環として捉えてみると、外国文化の積極的な受け入れという表向きの政策の他に、「高額商品の消費の促進」、「女性の権利拡充を認めることによる現体制の安定的な舵取り」という実利を得るための裏政策と見ることもできます。

 

 そんな目で世界とは異なる独自の進化を遂げた日本のバレンタインを見てみると・・・

「女性主導」、「本命以外(義理、友、ご褒美等)も有りの多様性」、「ホワイトデーの存在」という独自の進化を遂げています。結果として、今の日本は、昔とは比べられないほどに女性の社会進出の拡大(チョコをもらいたがる男性の弱体化?)が進んでいます。もし日本独自のバレンタインが、女性の社会進出促進を目指した国策だったとしたら、すごい成果と言えるかもしれません。日本の政治家の深慮遠謀・・・。さすがにそれは無いですね(笑)

 

 

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