2019年07月08日(月)

圧巻! 3日間で50万人超が来場しケタ違いの規模 美容大国・中国市場の底力

2019年5月20日(月)~22日(火)の 3 日間に渡り、中国・上海で開催されたCBE シャンハイ ビューティEXPO2019が開催され、3日間で50万人を超える来場者を迎え大盛況に終わった。この展示会は主に、化粧品 やホームケア用品産業に重きを置くイベントとして定着しており世界30以上の国や地域から4000社以上の企業が出展した。出展アイテムもスキンケアはもちろん、メイクアップ、 ボディケア、美顔器などの機械、口腔ケアなど幅広い種類の製品が発表され、またセミナーや技術発表などのイベントも同時に開催された。

 展示面積も26万平米(約7万9千坪)を誇り、E ゾーン(10エリア)、W ゾーン(8エリア)、N ゾーン(7エリア)とカテゴリー別にレイアウトされているが、直線距離だけでも1000メートル位はあるため1日ではとても全部 は回りきれない。

日本最大級の美容展示会「ビューティワールドジャパン東京」の来場者が6 万人規模であることからも、まさにケタ違いの世界最大級と言っても過言ではなく美容大国・中国の底力を証明するイベントといえる。

根強い人気の日本製品

 今回の取材のメインでもある日本企業を回って見た。全体的に日本ブースは どこも活況だ。

 日本のエステティックサロンを中心に美顔器を主力商品として 販売している美容機器メーカーのARTISTIC & CO.(本社岐阜県羽島市)には連日、たくさんの来場者がブースに集まっていた。中国の店舗数の拡大や日本国内でのブランディング成果により認知度も今まで以上にアップしており、現地の方々にとっても製品を直接手に取れる絶好の機会であった様である。同社の自社工場も連日フル稼働状態が続く。

 内面美容(インナービューティ)のパイオニア的存在でリーディングカンパニーを目指すプロラボホールディングス(本社東京都港区)のグループ会社で中国国内のブランディングを展開するプロラボコンセプトも着実に中国国内での認知度が高まってきている。

 業界大手のウェーブコーポレーション(本社大阪府大阪市)も国内はもちろん、中国においてもあらゆる媒体を活用してブランディングに注力。現在は中国国内においての一般流通の基盤作りに徹底しており、その成果も着実に進んでいる。

 日本でエステティックサロンを店舗展開している VAN-VEAL (本社山口県山口市)には中国人エステサロンオーナーやその関係者が訪れ、日本のサロン経営に高い関心を持っていたのが印象的だ。同社は今回が初出展になるが、「弊社のエステティックサロン運営を中国でもご活用頂きたく、出展致しました。皆さん、ものすごく関心を持って頂きました。出展して良かったです。」(宮本祐司社長)と成果を語る。

 国内でいち早くヒト幹細胞培養液コスメに着手し、「ディレイアシリーズ」をエステティックサロンへ向けて展開している美容メーカーのグラツィア(本社東京都豊島区)。同社はヒト幹細胞培養液コスメのパイオニア的存在となって業界を牽引してきたが今後は中国への進出を視野に越境ECや一般流通での販路を検討して行くという。

 日本のプラセンタメーカーの大手でショップチャンネルでもヒット商品を生み出している日本天然物研究所(本社東京都中野区)は中国への展開を視野に入れて今回が初出展となった。日本国内では商品もさることながら、プラセンタ業界では大手に位置づけされる企業。エビデンスやトレサビリティも万全を期しており、これを契機に中国進出を本格的に図るという。当日はメディア取材を受けるなど注目された企業の一つ。

中国進出は簡単ではない

日本企業の出展は毎年増加傾向にある。その最大の理由は中国の膨大な人口 と「メイド・イン・ジャパン」への高い関心度を持つ国民性、市場規模だと推察される。ただ、どんなに優れた製品でも、日本国内での認知度やブランド力が乏しければ簡単に進出できるほど甘くはない。出展している日本企業の属性 をみると、①日本国内での企業知名度がある。②日本国内でのブランド力が優 れている。③中国人にも知られている。④しっかりとした製品データ(エビデンスや製造工程などのトレサビリティ)が担保されている。⑤越境ECサイトや中国での一般流通の販売システムが構築されていることなどが確立されているということで、これらが進出成功のカギを握ることは間違いなさそうだ。

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