2020年04月30日(木)

エイジングケア素材の定番となったプラセンタ 「認知度もあり成熟期を迎える」

今やエイジングケアの素材として定着したプラセンタ。美容、健康の両面から訴求できることや、一般消費者への認知度もあること、さらには医療分野でも活用されていることなどから市場は活況だ。

 プラセンタは化粧品素材を中心に健康食品素材としても活用され、今やエイジングケアの定番商品として定着した。プラセンタは、もともと牛由来のプラセンタとして市場ができあがりつつあったが、2000年初頭にBSE問題が発生し市場に大きな打撃を与えた。その後、牛に変わる代替として豚由来にシフトされた。当時のプラセンタ製品のほとんどは化粧品であり、豚での使用感に疑問を持つ関係者もいた。しかし各企業の努力もあり豚由来のプラセンタの安全性が確認され、プラセンタ市場の礎を作ったと言っても過言ではなく、現在市場の多くは豚由来のものと推察できる。

 その豚由来に一石を投じたのが馬由来プラセンタだ。2006年頃に北海道産サラブレッドの馬プラセンタが健康食品として販売会社によって発表された経緯があることから、おそらく、馬プラセンタが市場に出た初期の頃にあたる。

馬プラセンタの登場によりプラセンタ市場は勢いを増し、現在のプラセンタ市場の活況を築き上げたとも言える。

●BSE問題

牛の脳の中に空洞が出来てスポンジ(海綿)状になる感染症(プリオン病)である牛海綿状脳症(うし かいめんじょう のうしょう:英語Bovine Spongiform Encephalopathy 略称 BSE)で一般的に狂牛病と知られ、1986年にイギリスで初めて発見された。この病気を発症した牛は群れから離れたり、痙攣を起こすなどの初期症状から、音や接触に対する過敏反応、さらに悪化すると立てなくなるといった症状が現れる。イギリスで発生した原因は飼料として与えられた汚染肉骨粉だとされている。日本では2001年9月10日に千葉県内で飼育されていた牛がBSE発症の疑いであることが農林水産省から発表され、後にBSE発症が確定されたことから日本もBSE牛の発生地域となった。これにより牛由来のプラセンタを使用していた化粧品メーカーは自主回収に追われることになり大打撃となった。

TOPに戻る