2021年10月04日(月)

本格的な野菜果物の機能性表示解禁に向け、とりまとめ制度改正へ! ~実証試験が8月末で終了~

 野菜や果物を適正に摂取することが健康に資することは多くの消費者が知っている。さらに、国の健康施策「健康日本21」や「スマートライフプロジェクト」には1日350gの野菜摂取が推奨されているにもかかわらず、厚生労働省の2019年(令和元年)の「国民健康・栄養調査」によると、野菜摂取量の平均値は280・5g(男性288.3g、女性273.6g)で、この10年間は横ばい、しかもどの年代においてもその量に達していない状況で、ここ数年間では右肩下がりの傾向もみえてきている。調査が始まって以来、目標値の350gに届いたことは一度もなく、2009年には野菜摂取量において日本人279g、アメリカ人337g と米国に逆転されている。

 野菜の摂取とがんとの関係については、国立がん研究センターが「野菜と果物の摂取が少ないグループでは、がんのリスクが高いことが示されている」として「野菜と果物を摂ることは、脳卒中や心筋梗塞をはじめとする生活習慣病の予防にもつながるので、できるだけ毎日意識的に摂るようにしましょう」と推奨しているにもかかわらず、こういった情報もなかなか消費者までは届かない。

 本来はこういった健康効果を野菜を販売する店頭で、野菜の健康効果を消費者にダイレクトに伝えることがベストの方法と考えられるが、スーパーマーケット等の売場で青果物の健康効果や機能性をPOP等の表示で伝える際には、さまざまな法律(薬機法、健康増進法、景品表示法、食品表示法等)によって規制されているのが実状。また、世界で初めて生鮮食品にも機能性表示が認められた機能性表示食品制度でもその質疑応答集では「生鮮食品の一般的な特徴(特定成分の含有の有無や当該含有成分の一般的な機能性など)については、ポップや広告等に表示することができる。ただし、当該ポップや広告等が、特定の食品を指さないこと、優良誤認、虚偽・誇大広告に関する景品表示法及び健康増進法等の規定に抵触しないよう留意する必要がある。なお、生鮮食品が栄養機能食品である場合は、当該栄養成分を含むものとして、栄養機能食品として栄養成分の機能を表示することができる」と明記されているにもかかわらず、こういった情報も関連省庁や自治体等では共有されておらず、不適切な取り締まりも散見されるのが実情。

 そこで、このような野菜の表示に関する諸問題を解決すべく、3年半の地道な交渉を経て、一般財団法人日本ヘルスケア協会「野菜で健康推進部会」では2020年10月5日に内閣総理大臣、農林水産大臣から認定を受けた「新技術等実証計画(規制のサンドボックス制度)」において『野菜果物の一般的な特徴を表示するPOPに関する自主マニュアル作成に関する実証』が採用され、2021年4月~8月末まで全国20店舗以上でで実証試験が行われた。内閣府を始めとして消費者庁などの関係省庁と実証試験のマニュアルを設定、今まで店頭で掲示できなかった野菜の機能性表示のPOPを掲げ、消費者からもアンケート調査を行い定量的なデータを分析して報告書にまとめて2021年中に内閣府に提出する予定だ。

 今後は、これらのとりまとめの結果を元に関連省庁の法律や通達、解釈等を含めて制度全般の見直しに着手、グレーゾーンを解消するとともに野菜の売り場での健康効果表示の常習化につなげて消費者の野菜の消費量をあげ、ひいては日本人の健康寿命延伸に貢献できる方向で作業を進めていく。また、野菜で健康推進部会では生産者から流通、小売り、そして消費者に向けて、野菜に含まれる成分の基礎的な知識の普及・啓発を行うとともに、関連法規への理解もより深めて、安心:安全な野菜生活を送っていただけるような活動も行っていく。