2015年06月23日(火)

科学が拓く新美容時代

図1.消費者庁平成26年版消費者白書から
「危害情報及び危険情報 商品別件数」

注目の「遺伝子検査」「美肌菌ドック」etc.に迫る
科学が拓く新美容時代

 

エステサロンで「遺伝子検査」導入店舗が増加傾向に

 

近年、「DNA検査」をメニューに揃えるエステサロンが増加しているという。科学的根拠に基づいた検査を行うことで、 より一人ひとりに合わせた効果的なスキンケア、エイジングケアやダイエット方法などの個別プログラムの提案が可能となり、 それが消費者の信頼度アップや顧客満足度の向上に繋がっているのだという。また、6月1日からは皮膚の肌質検査と常在菌量を 測定する世界初の「美肌菌ドック」が都内のクリニックでスタート。今回は科学が切り拓く最新の美容現状に迫ってみる。

 

「化粧品」「理美容」の危険情報から見えること

 

消費者庁が発表した平成26年度版消費者白書によると、危害情報及び危険情報を商品別にみた場合、 「化粧品」の被害は全体の2位、「理美容」は4位となっている(図1参照)。これらのデータからわかるように、 依然として化粧品または理美容に関するトラブルが多く、消費者自身が肌質を把握していないことが明らかとなった。 また、ダイエットにおいても一昔前に一大ブームを巻き起こした「リンゴダイエット」や「キャベツダイエット」 「炭水化物抜きダイエット」「ビリーズブートキャンプ」などが話題となったが、これも個々によって実感の差は大きく分かれ、 結局「継続できなかった」「リバウンドを繰り返してしまった」と挫折してしまうケースが少なくなかった。これは、 「効果が見込めなかった」ことが大きな要因のひとつとして考えられるが、前述した化粧品等同様、まずは自身の肌質・体質を知り、 それに応じた正しい化粧品の使用方法やダイエット方法を理解することが重要だといえる。
そんな中、最近になって「遺伝子検査」をメニューに揃えるエステサロンが増加してきているという。

 

安全性確保のために 科学的根拠に基づいた検査の重要性

 

一般的に遺伝子解析は血縁関係や犯罪鑑定のために使用されているが、医療分野において遺伝子情報と病気の関連性を分析し、 将来起こりうる危険因子を明らかにすることで生活習慣を見直し、病気の予防に努める目的で使用されている。 そんな医療分野で活用されていた「遺伝子検査」を、今度は美容分野に活用する流れが活発化してきているという。
システムとしては、検査キットで口腔内の粘膜を顧客本人に採取してもらい、それを検査機関にて評価してもらうという流れ。 概ね3週間〜1か月程度で検査結果が届けられ、内容としては数種の遺伝子を観察することで、 肥満の原因やその対策方法が確認できるというもの。この検査方法は2007年に「遺伝子栄養分析プログラム」と題して、 ヘルスケア&ビューティーパートナー(本社東京都港区)がパイオニアとして普及させたのがはじまりで、医師や研究者、 管理栄養士などの専門家集団によってサービスがスタートした。その後、2012年に経済産業省の「新たなヘルスケアサービス事業創出支援事業」 という国家プロジェクトに認定。こういった背景もあり、エステサロンでもより一層のサービス向上を図るために「遺伝子検査」をメニューに加え、 その結果に基づき、顧客それぞれに合わせた個別プログラムを提案することで、安定的なリピーターの確保や顧客満足度向上を図っている。
また、6月1日からは皮膚の肌質検査と常在菌量を測定する「美肌菌ドック」が都内3か所のクリニックでスタートした。これは世界初となる試みで、 顔の肌に住む菌(善玉菌と悪玉菌)のバランスを検査するもの。この菌バランスを調整することで肌質を改善していくという。
このように検査方法や目的は異なるものの、美容の現場では実際に科学的観点からの検査が注目されており、今後の美容業界において、安全性が確保できる有望コンテンツのひとつとして期待されている。

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