2022年05月09日(月)

内面からのアプローチと外面からのアプローチで市場は多角化

『健康と美容の基盤を支えるエイジングケア』

 

 2020年以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で経済は大きな打撃を受けたが、健康・美容業界は全体的に大崩れもなく、軒並み好調基調のようだ。インバウンド需要が壊滅的でしばらくは期待できない状況の中、国内需要への強化策を図るなどで立て直した企業も多い。

 健康や美容は永遠のテーマでもあり、不況に強く、大崩れしないのが健康美容業界。新型コロナウイルスという未知の驚異がある中、免疫力を強化するためのサプリメント摂取や、おうちエステなどへの美意識など、個々のレベルでも変化が生じたことも大崩れしない要因といえよう。

その根底にあるのが「エイジングケア」への強い意識。アンチエイジングというワードが定着し、原料メーカーや商品販売企業も「エイジングケア」に注力している。

 

●定番のプラセンタ市場は堅調

 

「エイジングケア」の定番といえばプラセンタ。元々は牛の胎盤を活用した牛由来が国内のプラセンタ市場を形成していたが、2000年初頭に起こったBSE問題でプラセンタ市場は大打撃を受けたが、その後、豚由来、馬由来のプラセンタにシフトされ、現在のプラセンタ市場を支えている。

 

●健康食品のパイオニア的存在の深海鮫肝油も見直したい

 

 漁師が深海鮫の肝油を食し、健康体を維持していたことが歴史のスタートという説もある深海鮫肝油。戦後の食糧不足を背景にビタミンAとビタミンDを含んだ肝油ドロップが登場し、学校給食の栄養補助として幼稚園や学校などで積極的に配布され、当時の子供達の健康を支え、爆発的にヒットした経緯がある

国内の健康食品としてのパイオニア的存在だ。またここ数年で認知されてきたのが黒酢だ。深海鮫肝油も黒酢も大手通販会社がテレビショッピングなどの通販で認知させた功績は大きく、エイジングケア素材としても注目できる。

 

 エイジングケアはサプリメントなどの内面的アプローチの一方で、スキンケアやフェイスケア、ヘアケアなど外面的アプローチも重要だ。スキンケアの王道といえばコラーゲンだが、ここ数年、水溶性プロテオグリカンもエイジングケア素材として人気だ。ただ原料コストが比較的高いので、水溶性プロテオグリカンを主成分とした製品の価格が安価なものは避けたい。エビデンス効果を訴求できる分量が配合されていないケースもあるので注意が必要なため、メーカー選びは慎重にしたいところだ。

 

●高価格の美顔器も「おうちエステ」の定着で需要も多い

 

 スキンケア効果をさらに高めることができるのが美顔器。超音波などのパワーで表皮層はもちろんだが、奥深い真皮層まで有用成分を浸透させることが可能だ。昨今の「おうちエステ」の定着もあり、手軽に扱える美顔器の需要も高く、10万円以上の高価格帯の美顔器も売れており、エイジングケアには欠かせない存在だ。

 

 新型コロナウイルスの影響で経済状況も先行き不透明感がある中、健康と美容という永遠のテーマが後押しし、常に新素材や新製品を開発している企業姿勢は、業界最大の強みでもあり、底堅さ、不況に強い業界を実証しているといえよう。

 

 

 

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