健康ジャーナル

 
  
    

2016年6月21日(火)

多様な商品で差別化進み、市場は拡大傾向へ

特集∼注目の「水素」関連商品の現状と将来展望

課題となるのは関連法規のコンプライアンス

健康・美容関連市場において注目度が高まっているのが「水素」。水素についてはエネルギー分野をはじめ医療や工業など幅広い用途が期待されているが、健康・美容関連市場においても同様で、その基本的な機能性である強い抗酸化をベースに健康維持はもちろんのこと、エイジングケアを目的とした美容面への応用と期待感も高い。ここでは水素の市場動向について検証してみる。

近年、テレビ番組や雑誌など、水素の効果や関連商材がメディアに取り上げられる機会が増えている。これによって、水素市場は新規ユーザーの獲得に成功し、その裾野は広がったといえる。ここ数年では、小売店舗を中心に販路も飛躍的に拡大し、水素が人目に触れる環境が整いつつあるのが現状だ。さらに海外進出も活発化しており、水素市場は拡大傾向にあるといえる。

水素については数年前にNHKの番組にてその機能性が取り上げられて、注目されるようになったという経緯がある。しかし、当初はデリケートな物質である水素の取り扱いはむずかしく、たとえば水素水であれば表示どおりに水素が溶存しているのかなど、商品の信頼性に対する疑念も少なくなかった。そうした背景から当初は取り扱い業者も限られていたが、水素含有量を簡単かつ正確に測定することのできる溶存水素計の普及や水素を逃がさない容器等の技術発達にともない、取り扱い業者ならびに水素関連商品が増えてきたことが市場活性化につながっている。参入業者については、健康や美容事業には携わっていなかった異業種からの参入も目立ち、新規事業として水素に対する期待の高さがうかがえるといえる。また、新規参入企業の対象となるのが美容分野という傾向が強いように見受けられる。

消費者への認知向上進み健康・美容業界にも追風

国のエネルギー政策で水素が注目され、さらにガソリンや電気に変わる燃料として水素自動車の開発に拍車がかかっていることなどから、一般における水素の認知度は数年前と比較して格段に上がっている。しかも、健康・美容における水素の機能性の軸となるのは、一般消費者にとってもわかりやすい抗酸化であるため、訴求効果も高いといえそうだ。

こうした追風があるものの、課題も少なくない。残念ながら水素関連商品にはいまだ玉石混交といわざるを得ない側面もある。

また、機能性についての表示等はもちろんのこと、たとえば正確な溶存水素量の表示など景品表示法をはじめとする関連法規の遵守がより求められることになる。

水素関連市場がこれからの有望市場であることは疑いのないところ。今後の動向が注視される。

【本紙につづく】

 
 
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