2015.10.13(火)

はつこ先生の健康コラム~第14回~

はつこ先生の健康コラム

~ハーブのことをもっと知りたい!~

 

 

良質な睡眠で、疲れを取り、充実した実りある秋を

 

「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」と言いますが、10月初め、東京の日没時刻は17時20分ごろです。

 

日が短くなったことと朝晩の冷え込みを感じると、特に理由がなくても物悲しい気分になることがあります。 また気温の変わりやすい季節の変わり目には、自律神経のバランスが乱れがちになり、体調を崩したり不眠になることもあります。言うまでもなく、 質の良い睡眠を取ることは、美容と健康にとって欠かせません。

 

寝る前にリラックスするのは身体が寝る準備を整えるために必要で、ハーブや好きな音楽や香りもとても役に立ちますが、どうしても寝つきが悪い、 眠りが浅いなど満足できる睡眠が得られないときには、薬を飲むことも改善策の一つです。

 

処方箋なしに、薬局やドラッグストアで買えるOTC薬では、睡眠改善薬があります。これは風邪や鼻炎のための薬に含まれる抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンが持つ、 「眠気」の副作用に着目したものです。これに鎮静作用のある生薬などを配合したものですが、副作用を利用するとはまさに発想の転換と言えます。
一方、睡眠薬として医師から処方される医薬品の多くは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。これらの睡眠薬は脳のGABA(ギャバ)受容体に結合して、 脳のはたらきを抑制することによって眠りにつきやすくさせるものです。

 

1960年代から使用されるようになった医薬品ですが、それ以前はバルビツール系という強力な睡眠薬が主流でした。古い映画などで、 コーヒーやワインなど味の濃い飲み物にこれを入れて飲まされた被害者が、突然崩れるように眠りに落ちる、というシーンを見たことがないでしょうか。 バルビツール系はそれほど強い作用がありましたが、副作用も強力で、飲み方を誤ると死んでしまうこともありました。 ベンゾジアゼピン系のものは効果があって副作用は少なく、類似した構造のものもたくさん開発されています。

 

1980年代からは非ベンゾジアゼピン系の医薬品が開発されました。ベンゾジアゼピン系とは構造が違いますが、作用機序はよく似ていて、これらもよく使用されています。 これまでのものとはまったく異なる作用機序を持つ新しいタイプの薬としては、5年ほど前に発売されたラメルテオンがあります。 脳の松果体から出されるメラトニンは、暗くなると分泌が増えて、日中明るい時は減る、概日リズムを作る体内物質です。ラメルテオンは、 メラトニンと同じようにはたらく薬で、脳に作用して身体を眠りにつきやすい状態に導いてくれます。強制的に眠らせるのではなく、 自然な睡眠の機序に沿っているので、耐性や依存がないとされています。またスボレキサント(商品名ベルソムラ錠)は、昨年発売されたばかりの薬です。 人を覚醒させる体内物質であるオレキシンを阻害するもので、寝付きにくいタイプにも、途中で起きてしまうタイプにも有効とされています。 ぐっすり眠って疲れを取り、充実した実りの秋をお過ごしください。

 

【つづく】

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