2019.08.16(金)

優れた機械製造・金属加工技術を持つ企業が開発したプラセンタ。 成熟した市場に一石を投じて話題の「バージンプラセンタ®︎エキス」 〜キーパーソンに聞く〜

常務取締役 ヘルスケア事業部長 寺本 充寛 氏

今やアンチエイジング素材として定着したプラセンタ。市場は成熟期を迎える中、そのプラセンタ市場に「バージンプラセンタ®︎エキス」という素材で一石を投じ、注目を集めているのが九州でその製造を手掛ける佳秀工業(本社福岡県北九州市、☎︎093-701-1021寺本麓人社長)。そこで同素材の開発に関わっているキーパーソン、ヘルスケア事業部長の寺本充寛常務取締役に話を聞いた。

——  貴社は機械製造や金属加工技術で企業基盤を構築されてきました。その確固たるビジネスモデルを持たれる貴社が、プラセンタ製造に参入された経緯は?

寺本 膜分離法の開発経過の中でプラセンタを知り、その後、より活性が高い安全なエキスが欲しいというお客様の声を頂きました。その声にお応えするため先人たちが築いてこられたプラセンタをさらに進化させたものが「バージンプラセンタ®︎エキス」になります。

——  バージンプラセンタ®︎エキスついて詳しく教えて下さい。

寺本 胎盤を細胞液(生エキス)と胎盤組織(固体)に分離して精製し、異なる細胞賦活効果を持つWエキスのブレンドによって、有効成分の活性を損なうことなく、また薄めることもしないで余すところなく抽出したものです。これはこれまで弊社で培ってきた機械製造やその加工技術によって実現したものです。具体的には、バイオケミカルの分野に応用し、ナノレベルの膜分離(0.22μm)ろ過、63℃以下の低温処理によるウイルス不活化(パスチャライゼーション)、真空凍結乾燥(フリーズドライ)等の技術を融合し、有効成分の濃度・活性を維持しつつ、安全性を確保したことで『生』を超えたエキスとして完成しました。純度100%の細胞液(生エキス)は63℃以下の管理を徹底し、低圧力の精製で有効成分にかかる負荷を最小限に留めています。濃縮・粉末化にはフリーズドライ製法を採用しました。その理由は、高温乾燥で有効成分を損なう恐れのあるスプレードライ製法に比べて、有効成分をほぼ100%残すことができるからです。また、表面積が非常に大きくなるため、復元性や溶解性が非常に高いという特徴もあります。

——  現在では有効性についての研究も行っていると聞きました。

寺本 有効性に関する共同研究を九州大学で行なっています。経口摂取による有効性を臨床試験によって明らかにして行くことが目的です。臨床試験では肌質改善などの有効性について検証しています。これに先駆けて昨年末からバージンプラセンタ®︎エキスの特性のさらなる解明に向けた研究もスタートさせています。さらに京都大学のウイルス研究所でもウイルスの除去・不活化など安全面での研究も行いました。バージンプラセンタ®︎エキスは豚由来のものですから、やはり安心してお使い頂くためには、人畜共通感染症の危険性がないことを確認する必要性があります。特に豚プラセンタでは熱に強いE型肝炎ウイルスのリスクがありますので、この試験は必須なものでした。結果として高温でも生き残るとされるブタバルボウイルスまで含めて、検出限界以下まで不活化されていることが実証されました。

——  最後に今後の展開を聞かせて下さい。

寺本 これまでB to Cへ向けた商品開発も行い、独自の商品を一般ユーザーへ向けて販売してきました。この路線は基本的に大きく変わることはありませんが、今後はプラセンタ素材の製造メーカーとして「バージンプラセンタ®︎エキス」の原料供給にも注力していきます。大学との共同研究も引き続き継続し新たなエビデンスの取得も進めていき、成熟したプラセンタ市場に一石を投じていきたいですね。

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