2020.11.27(金)

チャラカ・サンヒターから、治療の4本柱「医者」

前回は古典書のチャラカ・サンヒターから、治療の4 本柱「医者」「治療薬」「看護人」「患者」について、解説し、特に「医者」は最重要であると紹介しました。


実は、チャラカ・サンヒターには、優秀な医者だけでなく、困った医者迄紹介されているのです。


今回は、治療に最重要とされている、「医者」についてもう少し詳しく解説していきましょう。

「無知な医者は害悪!」無知な医者に治療されるくらいなら、自分の身を火に投じる方がまし!

の中を船が航行するように、無知な医者はその無知ゆえに、過剰な不安を持ち、自信を欠いて治療する。

偶然にも生きながらえる運命にある患者を治しても、一方で、寿命の定まらない何百人もの患者を殺す!


すごく厳しく糾弾していますね。


でもこのように、明確に無知な医者を明記するところが、医師を目指す人の指南書としても必要なのでしょう。


また、名医についてはこのように語られています。

生命の救済者たる医者や、名医には、病因、症状、治療、病気予防の4 つの知識を持つ医者は王の侍医にふさわしいと。

そして、医者は学識、推測力、専門知識、記憶力、集中力、行動力、の資質を持って、実践的な知識、反復経験、熟練、人望などが備われば生あるものに多くの幸福を与える名誉ある医師の称号を得られるとされています。

医者は治療にとって最重要な存在であるため、常に自分の資質を向上させるための努力が必要であるとされています。
さらに、医者の倫理として、人類愛、病人への思いやり、治療可能な患者の治療に専念すること、死につつある患者の治療は断念すること、これらの4 つの行動が必要であるとされています。
(日本アーユルヴェーダ学会・チャラカ・サンヒター翻訳より引用)


無知な医者にたいして、名医たる医者には、本当に課題が沢山書かれています。

ですが、名医の資質、条件、経験、人類愛などを全て備えれば、確実に名医と称されることでしょう。

このようなチャラカ・サンヒターに書かれているアーユルヴェーダの知識を今の現代医学や大学でも大いに研鑽して頂けると。

 


これからも、アーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。

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