前回は古典書のチャラカ・サンヒターより、良い医者、悪い医者について解説させて頂きました。
チャラカ・サンヒターは内科の古典書でもありますが、哲学的なことも沢山書かれています。
その中で「3つの探求」を勧められています。
「3つの探求」のまず一つ目はアーユルヴェーダらしい、「生命の探求」について勧められています。
より幸福な人生を期待するなら、「生命」の探求は欠かせないでしょう。
「生命」の探求を放棄することは全てを放棄することと同じと言えます。
健康な人は、健康方を守り、病気の人は病気の鎮静に努め、長生きすることが「生命の探求」と伝えられています。
次に探求すべきものは「富の探求」です。
アーユルヴェーダはより良く生きる為の哲学ですが、そのなかでも「富の探求」も大切だと考えています。
生命を維持するうえでも、資力が必要だと考えています。
資力無しに、長生きするとみじめであると説かれています。
そのためにも「富を探求」し、資力を得る努力をして働こうと進めています。
また、おススメの仕事も紹介されています。
農業、牧畜、通商貿易、宮廷勤務、また、立派な人が難色を示さない職業、生活の維持ができる職業と書かれています。
立派な人が難色を示さないとは、人に迷惑をかけるような仕事になるのかもしれませんね。
現代において、これらの職業が全て当てはまるかどうかは定かではありませんが、生活の為の資力を得る努力は大切だということを伝えてくれているように思います。
資力を得ることで、晩年、屈辱を得ることなく生きることができるでしょう。
3つ目の探求は「来世の探求」と記されています。「来世」を語るうえで、疑問を持つ人々がいることも想定して記されています。
目に見える事しか信じられない人、また人が産まれるのは両親からで、自然の理であること。
もしくは他者(創造主)によるものだとの考え、あるいは偶然であるなど、様々な例えを用いて生まれ変わりは不確かであると伝えながら、そういった考えを捨てるよう勧めています。
なぜなら、目に見えることはごく一部で、全てを見て、全てを悟ることはできない。
そして、様々な賢者の言葉や古典書の中に命が続くことが語り継がれている。
それらを疑うことより、信じて生きることがより人生を大切に生きることができると教えてくれています。
3つの探求、「生命」「富」「来世」を意識することは確かに、今の人生を豊かにしてくれることでしょう。(チャラカサンヒター・日本アーユルヴェーダ学会翻訳より引用)
これからも、アーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。