2021.08.30(月)

治る病気、治らない病気

 前回はアーユルヴェーダのトリートメントでもよく扱う浄化療法についてお伝えしました。

浄化療法を普段から生活の中に取り入れることで、病気を予防することができます。

ですが、普段気を付けていても病気になってしまう場合があります。

アーユルヴェーダでは病気を大きく2 つに分けて考えています。


 一つは「治る病気」そして「治らない病気」です。
 できる限り「治る病気」のうちに対処しなければいけません。

「治らない病気」の場合はアーユルヴェーダでも治療を断念し、

「治るかもしれない」と期待を持たせないことも大切だと説かれています。


 また、「治る病気」も2 つに分けて考えます。

「簡単に治る」「簡単に治らない(難治性)」です。
 「簡単に治る」病気は原因や症状が少なく、発症してからの日にちが浅く、病変部が治療しがたい部位でなく、合併症もない。

そしてドーシャの乱れも単一で、患者か治療に耐えられる体力があり、治療の4 本柱(医者・看護者・薬・患者・第60 回で紹介)が整っているものです。

できる限り、この段階で病気に気づき、治療を受けていただきたいと思います。


 次に、「簡単に治らない病気」は原因や症状がいくつもあり、患者が妊婦、高齢者、小児である。


 また病気が初期段階でなく、治療しにくい部位に病変があり、合併症もある。

2 つのドーシャの乱れがあり、治療の4 本柱が不十分である場合は、治療が難しくなると考えられています。
 ですが、治療をあきらめずに治していく努力が必要です。


 「治らない病気」も2 つに分けて考えています。一つは「緩和可能(一時的に症状が軽減する)」と「完全不治(手に負えない)」であり、どちらも治らないことには変わり有りません。

アーユルヴェーダの古典書には治らない病気を治療する医者は富や名誉を失うだろうとも、厳しく書かれています。


 「治らない病気」のうち、「緩和可能」な場合は、養生することにより、残された寿命を、一時的に
病気を軽減することができます。


 しかし、ちょっとしたことで、悪化することもあるので、養生がとても大切になってきます。

 (チャラカサンヒター・日本アーユルヴェーダ学会翻訳より引用)


 このように、病気のことを詳しく知ると普段の予防の大切さがわかります。


 前回お伝えした日々の生活の中で出来る浄化療法やシロダーラで、病気の予防に努めましょう。

 


 これからも、アーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。

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