
前回は「治る病気、治らない病気」についてご紹介いたしました。
治る病気を治療する医者の見分け方もアーユルヴェーダの古典書「チャラカサンヒター」には詳しく、また厳しく書かれています。
医者には2 種類あると言われています。
一つは「生命を救済し、病気を根絶する医者(プラーナビサラ)」
そしてもう一つは「病気を悪化させ、生気を奪う医者(ローガービサラ)」です。
当然ながら、自身が病気になった時には、生命を救済する医者に診て頂きたいものです。
では、生命を救済する医者とはどういったものでしょうか。
これがなかなかハードルの高い基準があり、これに当てはまる医者は実際には難しいのではと思うほどの条件があります。
まず、高貴な家系のもの。
この時点でつまずく医者もいるでしょう。
そして、
経典に精通し、
実践的な知識が豊富で、
器用である。
そして、
潔癖で外科手技などの訓練に励み、
自制心があり、
必要な治療器具の準備ができる人。
さらに続きます。
感覚機能が正常で、
本質を理解し、
治療方針を理解し、
迅速に正しい決断ができる人が
「生命を救済する医者」たるものであるとされています。
ここまで見ると、医者に対する基準が非常に厳しいものであると理解されるでしょう。
このような医者であれば、治療方針に誤りがなく、薬物療法の選択や病気の原因や臨床所見も正確に判断できるとされ、治療するべきか否かも判断できるとされています。
逆に「病気を悪化される医者」はというと、
自分の素性や無知さを隠し、
医者のようなふるまいをし、
病気の人を見つけては駆け寄り、
自分の才能を声高に発し、
良い医者の悪口を言い、
お世辞や楽しい話をして世話などをやき機嫌と取る。
自分に病気を治す力がない事をごまかすために、患者や介護されている人の力不足を責める。
小さな知識を繰り返し伝え、沢山の質問に答えられない。
学者などの知識あるものを遠ざけ、師匠なども持たない。
このように、病気を悪化させる医者についても細かく解説されていますが、
実際に治療家でもない人がこのように、
悩める人にすりより、
善人のように機嫌を取り、
目上の人を非難し、
自分の力を誇示する人はいるかもしれません。
自身が患者になった時には正しく医者を見極める指標として、アーユルヴェーダの知恵を身につけたいものです。
(チャラカサンヒター・日本アーユルヴェーダ学会翻訳より引用)
これからも、アーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。