2022.01.19(水)

地球環境に優しいハラール的、健康美生活 第18話

 生活習慣病の1つである糖尿病。国内でもガンや脳卒中と並び沢山の人が悩まされています。しかし、中東では日本以上に深刻な事態だということは意外と知られていなのではないでしょうか?

 

 国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、20歳から79歳の成人のうちサウジアラビアでは15%、クウェートやカタールにおいては20%が糖尿病であり、その数は今後ますます増えていくと言われています。また糖尿病寸前や未診断の人まで加えると、中高年の大半が何らかの生活習慣病を抱えていると言われています。コロナの問題とも相まって、中東では日本以上に国民の健康問題が緊急課題の1つと言っても過言ではありません。

 

 宗教観、文化的土壌等、国によって様々な違いがありますので、生活習慣病の原因となる「肥満」を単純に悪いことだとは一概には言えないものの、その延長線上にある糖尿病の罹患率をみると、やはり何らかの意識改革をする時期に来ているのかな?とも感じています。

 

 ダイエット環境においても、徐々に変化の波が訪れてきています。10年前には中東では(男性向けと異なり)女性向けのスポーツジムの認可が降りないということで消滅の危機を迎えていましたが、数年前から状況が変化してフィットネスジムを中心に女性専用の施設が増えてきています。

 

 イスラムの女性は肌を露出させないという事から、日本ではあまり活発なイメージを持っていない人も多いようですが、女子会など男性がいない場所では、身軽な格好になって皆さんと同じように楽しく談笑したりしています。外での振る舞いとのギャップに、皆さんきっと驚かれることと思います。

 

 また、髪の手入れやスキンケアも露出させない(人に見せるわけではない)からといって手を抜くことなく、きちんとやっている女性が多いです。「今日は外に出かけないから」、「今日はマスクをはずさないから」ということでケアを割愛しがちな人には耳が痛いかもしれません。

 

 そんな彼女たちだからこそ、肥満や健康への意識が変わってくれば(外出時に体のラインが目立たない服装していても)、きっと体重管理へのケアもしっかりとやっていくようになるのでは?と思っています。

 

 世界中でコロナ前とコロナ後であらゆる仕組みに大変革の波が押し寄せています。中東における肥満や糖尿病に関する意識改革の加速も、コロナ治療と糖尿病治療の相性の悪さが一因であり、これもコロナの影響の1つだと思います。

 

 日本国内で小康状態を保っているコロナですが、世界的にはまだまだ予断を許さない地域が数多くあります。

 

 「コロナ対策がきっかけで中東の肥満事情が大きく改善したね」数年後にこんな統計結果が出るような世の中になっていることを願ってやみません。

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