2022.04.30(土)

アーユルヴェーダとインド神話の神々①

前回はアーユルヴェーダの古典書とインド神話の関係をお伝えしました。今回は、インド神話に登場する魅力的な神様のお話しをご紹介いたします。おとぎ話のようなお話しとして楽しんで頂ければと思います。まず、インド神話には最高神、または、3大神と呼ばれる3人の偉大な神様がいます。

 

 

1人は「ブラフマー」という名前で、宇宙を創造した神様です。インド神話が誕生したころは、一番の神様として崇拝されていましたが、時代の変化と共に、今では3大神の一人の位置づけになりました。当初、肌の白い民族の宗教としてバラモン教がインドに伝わった時に、バラモン教の最高神として「ブラフマー」が存在しました。その後、肌の白い民族の宗教にインドの土着の宗教が混合し、土着の神様が力を持つようになり、1 番ではなく、3人のうちの一人、といった紹介をされるようになりました。(今でもブラフマーが一番という考えもあり、諸説あります)ブラフマーは4つの顔があるのが特徴です。老人の顔で表現されることもあれば、青年の顔の時もありますが、4つの顔は同じ顔になります。

 

 

ブラフマーは宇宙も創造する神様ですから、何でも作ることができます。そこで、自分の娘「サラスバティ」を作りました。ところが、あまりにも美しく作ったことで、自分の娘を好きになってしまいます。しかし、サラスバティはブラフマーを父親と思っているため、その愛を受け入れられず、父の下を逃げだします。それでも、ブラフマーは執拗にサラスバティを探し続けます。西へ逃げても、東へ逃げても見つけられるようにと東西南北を監視するため、顔を4つにしました。そして天に逃げても見つけられるようにと5つ目の顔も出来ました。どこに逃げても追いかけてくるブラフマーの求愛に、最後はあきらめて妻となりました。ブラフマーが親子にも関わらず、娘を妻にしたことを怒った他の神様(シヴァ)が天にむけた5つ目の顔を切り落としたとも言われています。

 

 

手には教本、数珠、蓮、水壺を持ち、白鳥に乗っています。人々に数珠と教本で教えを諭す神様なのに、その大胆な行動は神様らしくなく、現代であれば、犯罪行為になるでしょう。ブラフマーは、日本では、梵天という名前で知られています。

 

 

インド神話に登場する神様は時として自分の欲のままに生き、人間以上に、人間臭い、ユニークな表情を見せてくれます。

 

 

これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。

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