2022.05.31(火)

アーユルヴェーダとインド神話の神々②

前回はインド神話に登場する最高神の一人、「ブラフマー」について紹介しました。最高神は3大神とも言われ、3人の神様がいます。今回は、その一人、「ヴィシュヌ」についてご紹介します。
 
 
ヴィシュヌは太陽の神様とも言われています。太陽の様な輝きを放ち、繁栄の神様として愛されています。また、この世の中を維持する重要な役を務めているとも言われています。4つの手には円盤(チャクラ)、こん棒、ほら貝、蓮の花を持っています。前回ご紹介したブラフマーは、最初に宇宙を創造した神様だったのですが、時代と共にヴィシュヌが人気となり、いつしかブラフマーはヴィシュヌの膝から咲いた蓮の中から誕生したと、かなりのランクダウンした伝え方に変わりました。
 
 
ヴィシュヌは様々な姿に生まれ変わります。神話に登場する沢山の神様が、実はヴィシュヌの生まれ変わりだったと伝えられています。私たちが知っている「お釈迦様」もヴィシュヌの生まれ変わりとされています。
 
 
お釈迦様はインドで誕生しましたが、当時のカースト制度(身分階級)を大切にするバラモンの教えに反発して悟りを開き仏教が誕生しました。
 
 
そのため、バラモン教をルーツとするインド神話では、お釈迦さまは良い教えを破壊する「悪役」として登場します。ですが、その悪役もヴィシュヌの生まれ変わりで、全てはヴィシュヌの采配なのだと、ヴィシュヌの偉大さを称えています。仏教国の日本にすれば、少し違和感を抱くお話しかもしれません。インドで仏教が消えたのは少し寂しいような気もします。
 
 
またお釈迦様以外にも、人獅子(人でも神でも魔物でもない生き物)や、クリシュナ(英雄)や、叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公ラーマ王子など様々な姿に生まれ変わります。そしてヴィシュヌの愛妻「ラクシュミー」はヴィシュヌが生まれ変わるたびに、そのそばに生まれ変わり、ヴィシュヌの愛する人になっていたとされています。何度生まれ変わっても愛し合う二人はロマンティックな神様ですね。そんなところが大人気の神様の魅力なのでしょう。
 
 
これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。
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