2022.06.30(木)

アーユルヴェーダとインド神話の神々③

これまで、最高神とも言われる3大神のうち、「ブラフマー」「ヴィシュヌ」についてご紹介してきました。今回は、3大神の最後の神様「シヴァ」についてご紹介しましょう。


圧倒的な力を持った破壊と再生を司る神様で、破壊と聞くと怖いイメージですが、シヴァという名は吉祥の意味もありインドでも非常に人気の神様です。


全ての物はいずれ最後には破壊され、そして新たに誕生するといった、真理を表しているのかもしれません。インドの神様は着飾った神様が多いのですが、シヴァは質素な装いで、腰にヒョウの毛皮を巻き、厳しい修行を貫くストイックな神様です。踊りを奉納する修行の姿は「ダンシング・シヴァ」として、仏像でも愛されています。また、シヴァの男性器を型取った「シヴァ・リンガ」は生殖器崇拝として有名です。シヴァは沢山の異名を持っています。


カーラ(死を司る神)、プーテーシュヴァラ(悪魔の王)、シャンカラ(恩恵を与える者)、マハータバス(偉大な苦行者)など、1000以上の別名がありそれぞれの名で神話があり、多彩な顔を持っています。


日本の仏教で伝わる名前は、「大自在天」や「大黒天」と呼ばれています。


「七福神」の中の一人である「大黒天」の姿は、シヴァとは全く様相が違いますが、人に吉祥を届けるといった力はシヴァと大黒天も同じです。


圧倒的な力と破壊の王として、敵対する者には容赦なく責めますが、自分を信じる者には恩恵を与えます。また非常に愛妻家で1人目の妻「サティー」を愛していましたが、サティーの父はシヴァのことが嫌いで、ひどい仕打ちをすることに、胸を痛めたサティーは自殺します。そのことで、シヴァは激怒し、サティーの父を殺します。嘆き悲しみ、苦しみを修行にぶつけるシヴァを見て、サティーの生まれ変わりであるパールヴァティ―を使わされ、妻にして溺愛します。二人は客人を待たせたまま、100 年もの間、愛し合い、客人にもあきれられたという話もあります。また二人の子供は「ガネーシャ」という象の頭を持った神様で、日本でもドラマにも登場するほど人気の神様です。


シヴァと妻のパールヴァティ、そして子供のガネーシャと揃った家族の絵は、非常に縁起が良いとされています。


シヴァの特徴で額には3本線(閉じた目)があり、手にはサスマタ、こん棒を持ち、蛇の首飾りに豹の毛皮を腰巻にしています。容姿はなかなかのイケメンで、戦いの神には見えない美しさも持ち合わせていて、とても魅力的な神様です。


これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。
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