2022.07.07(木)

地球環境に優しいハラール的、健康美生活 第24話

 こちらのコラムでもたびたび触れるSDGs。意味はご存じの通り「持続可能な開発目標」です。17の目標と169個のターゲット(より具体的な目標)で構成されています。

 

 SDGsは、安心安全なものを無理なく取り入れていくという、ハラール的な考え方にも通じ、コラムとの親和性も高い意義のある取り組みだと思っています。読者の皆さんも取り組んでいらっしゃる人が多いのではないでしょうか。

 

 一方で、取り入れようとすると「分かりにくい」、「ハードルが高い」という声もまだまだ聞こえてきます。私はそんな時には、ベネフィットに置き換えてみたら?とお伝えしています。

 

 ベネフィットは、マーケティング用語で「顧客が商品から得られる恩恵」という意味になりますが、少々固い感じになるのでここでは「価値」と置き換えてもいいかもしれません。

 

 ファストファッションのベネフィットが「低価格で大量に買い物をする喜び」であるならば、高品質の衣類は「物を大切にする心」、「長く使える安心」、「匠の技(文化)を後世に残す貢献」といったものが挙げられてくると思います。

 

 これを食に置き換えると、ファーストフード店のベネフィットは、「食事以外の時間の確保」、「食費以外に使えるお金の確保」なんていうのもありますよね。一方で高級懐石の場合は、「日本の食文化の素晴らしさに気付ける」以外にも「自分が相手のことをどれだけ大切に思っているかを分かってもらえる」、「地産地消に携わる人たちの暮らしを守る」というのもあります。切り口次第で多種多様なベネフィットを作れることがお分かり頂けると思います。

 

 ちなみに当社の提供させて頂いているベネフィットの1つは、「肌質や年齢に関係なく、その人の一生に安心して寄り添うパートナー」です。そのベネフィットを提供するために取得したのがハラール認証であり、原材料へのこだわりになるのです。

 

 ファストファッションのお店では、「買い物の喜び」というベネフィットを提供するために大量生産・大量消費の促進をする仕組みを作ります。同様に高品質の衣類であれば、衣類が出来上がるまでの工程に携わる人達のストーリーのシェアやフェアトレードを行っていることをお客様に広く知って頂くことによって、「長く使える安心」や「文化への貢献」というベネフィットを提供しています。

 

 皆さんが展開されているビジネスは、どんなベネフィットを提供されているのでしょうか。そして、そのベネフィットを提供できるような仕組みづくりや情報発信をされているでしょうか。もしされているのであれば、それらの取り組みをスタッフさんやお客様、地域の皆さんと共有してみてください。きっとそれが皆さんにとってのSDGsのコア(核)コンテンツになっていくと思います。

 

 SDGsは、17の目標をたくさん達成すればいいというものではありません。大切なのは皆さんのビジネスと親和性の高い目標を見つけ、皆さんのビジネスを通じてお客様が得られるベネフィットを商品やサービスと一緒に届けてあげることなんじゃないかと思います。このコラムの基本テーマでもあります安心や安全に基づく取り組みは、SDGsとシンクロさせやすいと思うので、これからも取り上げていきたいと思います。皆さんのビジネスの向こう側にいるお客様1人1人が、そんな風にSDGsを身近に感じてもらえたら素敵ですよね。

 

 

 

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