2022.10.06(木)

地球環境に優しいハラール的、健康美生活 第27話

 皆さんはコロナ規制のない3年ぶりの夏、どのように過ごしましたか?帰省にレジャーにと久しぶりの夏を満喫した人も多かったのではないでしょうか。私は(前回のコラムでも書きましたが)、アゼルバイジャンでビジネスをする準備に奔走し、気温に負けないくらい暑い日々を過ごしていました。

 

 物件契約などもあり、8月はアゼルバイジャンに行っていましたが、ふと面白いことに気が付きました。ほとんどの国民がイスラム教徒のアゼルバイジャン。当然「豚」はNGです。にもかかわらずイスラム教で禁じられている「ブタ」が日常にあふれているんです。「ブタ・ホテル」、「ブタ・マーケット」、「ブタ航空」・・・街のいたるところで見かけました。

 

 もちろんここでいう「ブタ」とは「豚」ではありませんよ(笑)。「ブタ(Buta)」はアゼルバイジャンの伝統的な装飾を意味しているそうです。一般的には勾玉模様とかペイズリー柄と言えば、イメージが湧くのではないでしょうか?そもそもペイズリー柄の由来は、スコットランドのペイズリーという町の名前だったそうです。世界各地に昔からあった勾玉模様を衣類に取り入れて大量生産した拠点がペイズリーという町で、それがそのまま「勾玉模様=ペイズリー」になったと言われていますから、歴史的には「ブタ」の方が古いと言えます。でももしも「ペイズリー柄」ではなく「ブタ柄」と紹介されて伝わってきたら、日本で定着したかどうかは微妙ですよね(笑)

 

 「豚」は無いけれど、勾玉模様を意味する「ブタ」という言葉が日常的に使われているアゼルバイジャン・・・。日本語だとそれだけでもややこしいところです。でもややこしいついでに言うと勾玉模様は中国では「豚のハム」を意味する「火腿紋」と呼ばれているそうです。それぞれに関連はないのに、なぜか微妙に「ブタつながり」というのも変な感じです。

 

 ペイズリーに限らず、香水やコーヒー等、私たちが普段、ヨーロッパ発祥の物だと思っているものでも、歴史を紐解いてみると、実はイスラム圏が発祥だったという例が多いことに驚かされます。そういう意味では、私たちが思っている以上に、イスラム圏と私たちの生活は根っこの部分で繋がっているし、多くの影響を受けていると言ってもいいのかもしれません。

 

 今後ますますアゼルバイジャンをはじめとする、イスラム圏との絡みが増えていきますので、今回のような現地レポート的なこともこのコラムを通じて皆さんにお伝えしていきたいと思います。イスラム圏の文化をより身近に感じてもらえると嬉しいです。

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