2022.10.31(月)

アーユルヴェーダと神々の間に生まれる子

前回は「シヴァ」の妻、「パールヴァティー」についてご紹介しましたが、シヴァとパールヴァティーの間には、インドや日本でも大人気の神様、「ガネーシャ」が子供として誕生しました。
 
 
ドラマでも「夢をかなえるゾウ」などにも登場し、人気のキャラクター的な存在感があります。
 
 
「ガネーシャ」は商売、学問、幸運、富の神様として大変、愛されています。またサンスクリット語で、「ガナ=群衆」「イーシャ=主」という意味から、群衆の王との別名もあります。商売をする店では、ガネーシャを祀ることが多く、ガネーシャの功徳に、災いを避けてくれる厄除けの力があるため、事業などをスタートする時にもガネーシャをお祀りすると良いとされています。
 
 
ガネーシャの姿は、ゾウの頭に、大きなお腹、そして片方の牙が折れています。
 
 
その特徴的な象の顔はなぜなのかは、諸説あります。
 
 
パールヴァティーが、シヴァが出かけている間、寂しさを紛らわせるために、お風呂に入ってリラックスしながら、自分の垢で粘土のように息子を作りました。そして入浴中に、息子を見張りに立たせていると、そこにシヴァが戻りました。パールヴァティーに会おうとするシヴァを、まだ父親の顔を知らないガネーシャは母の言いつけを守り、それを阻止しようとして、シヴァの怒りを買い、首をはねられてしまいます。息子を殺されたことを知ったパールヴァティーは悲しみながらシヴァに事情を説明します。事情を知ったシヴァは、パールヴァティーをなだめるために、次に通りかかった者の首を頂こうと言い、たまたま次に通りかかった象の首をはねて、息子の身体に付けたと言われています。
 
 
また、牙が片方折れているのも諸説あります。夜道でこけて、お腹に抱えた大好物のモーダカ(お団子)が転げ落ちたのを拾っていると、お月さまに笑われて、怒ったガネーシャが牙を折って、投げつけたとか、素晴らしい経典を書き写すのに、牙を折って筆にしたなどがあります。手にはモーダカ(お団子)を持っていて、「モーダカプリヤ(モーダカが好きな神様)」と呼ばれ、モーダカをお供えすると喜ばれます。大きな身体ですが乗り物は小さなネズミ。日本では、大黒天や歓喜天(聖天)として伝えられています。
 
 
インドでは、父親のシヴァ、母親のパールヴァティー、そして息子のガネーシャの3人が揃った絵は大変人気でよく飾られています。
 
 
今回のお話しはいかがでしたでしょうか。これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。
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