身体にとって安心・安全なものを取り入れることを意識して生活することが、結果的にハラール的なライフスタイルに通じ、そのライフスタイルを続けていく事が健康的な毎日を過ごすことに繋がっているということをテーマに進めているコラムですが、これまで最も皆さんが体内に摂取しているものについて触れていませんでした。
今回は、皆さんが当たり前のように、しかも大量に摂取していながら、ついつい意識の外に置いてしまいがちな「空気」についてお話してみようと思います。
「大量に摂取していると言っても、食べ物や飲み物ほどではないでしょ？」と思っている皆さんは、ここで認識を改めてください。ある調査によると、一生の間に摂取する物のうち飲食物が占めている割合はわずか１５％程度と言われています。実は全体の８０％以上を占めているのが空気なんです。中でも室内における空気が全摂取量の約６０％とダントツに多いのです。
仕事や学校に通っている場合は、室内空気と言っても様々な場所が考えられます。また移動中には、外の空気を吸うなど、多様な空気を摂取しています。でも、大半を自宅で過ごす生まれたばかりの赤ちゃんやご高齢の人たちにとっては、室内空気イコールご自宅の空気となります。つまり、抵抗力の弱い人たちほど、ご自宅の空気の質がとても大切な意味を持つということがお分かり頂けると思います。
一方、シックハウス症候群、化学物質建材に代表されるように、自宅で過ごすことで健康を害している実態が未だに多く見受けられます。特に最近は住宅の高気密化が進んでいます。高気密というのは、空気の出入りを極力防ぐ建物を意味しています。ちょっと想像してみてください。もし高気密住宅に使われている建材が化学物質だったら・・・。
そして化学物質で汚染されている空気は、清浄な空気に比べて重いと言われています。つまり足元の空気ほど汚れやすいことを意味しています。床で楽しそうに遊んでいる赤ちゃんの周りを取り囲んでいる空気がそんな空気だったら・・・。ちょっと怖くないですか？
住宅メーカーの中には、そういった問題を解決するための取り組みとして、添加物を一切排除した家づくり、地球環境と人体に優しい家づくりをしている会社もあります。
摂取したもので体は作られるからこそ、安心安全な食べ物がいかに重要か皆さんお分かりだと思います。であるのなら、最もこだわるべきは、食べ物の何倍も摂取する空気なのではないでしょうか？質のいい空気を思う存分摂取できる環境を手に入れる家づくりは、皆さんのご家族が健康に過ごせるための第一歩となるのかもしれません。
空気は読むことよりも摂取することのほうが、はるかに大事です。雰囲気を悪くするよりも、悪い空気を摂取しない努力を心掛けたいものですね。
