2022.11.30(水)

アーユルヴェーダと人々を幸福に導く神

前回は日本でもドラマ化されるほどの大人気の神様、「ガネーシャ」についてお話をしました。実は、日本ではあまり知られていませんが、インドではガネーシャに並ぶほどの大人気の神様がいます。
 

 

もちろん、これまで紹介してきた三大神の「ヴィシュヌ」「シヴァ」「ブラフマー」は大人気ですが、その中に、ヴィシュヌの8番目の生まれ変わりとして誕生した「クリシュナ」はとても人気が高く、インドでは子供の名前に使われるほど親しまれています。
 

 

クリシュナはヒンドゥー教では最も人気の神様とも言われ、人々を幸福に導く、水先案内人とされています。少年時代は牛飼いの姿をしていますが、とても容姿端麗で、その美しい青年に恋する女性が大勢いました。
 

 

一説には1万6千人の妻がいて、その中でも最愛の妻「ラーダ」との恋物語はインド舞踊にもよく登場します。
 

 

子供のころはいたずら好きで、養母のいないすきにバターを盗み食いして、それに気づいた養母と追いかっけっこする姿や、沐浴する美しい女性たちの衣服を隠して困らせるなど、愛嬌たっぷりの話は、インド舞踊の中でも人気の演目となっています。
 

 

成長したクリシュナは、怪力で勇敢な戦士となって国を守る武勇伝など、沢山の神話があります。
 

 

晩年になり、この世での仕事を終えたクリシュナは山にこもり、ヨガをしながら瞑想していると、猟師に鹿と間違われて、クリシュナの急所の足の裏を弓で撃たれてあっけなく死んでしまったと伝えられています。
 

 

愛らしい小さなクリシュナがバターのツボを抱えている姿や、頭に孔雀の羽飾りをつけ、横笛を持って、優雅な立ち姿をしている姿、愛しいラーダとの仲睦まじい姿がよく描かれています。肌は青黒く、その色から、アーリア人(白い肌)の神様ではなく、インドの土着の種族ヤーダヴァ族の指導者が亡くなり、死後神格化されたとの説もあります。
 

 

今回のお話しはいかがでしたでしょうか。これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。
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