2023.02.28(火)
アーユルヴェーダとハヌマーン

前回は世界の大文学とも称される「ラーマーヤナ」に登場するラーマについてご紹介しました。今回は、そのラーマーヤナの物語を一層魅力的にした登場人物、「ハヌマーン」についてご紹介します。
ハヌマーンはラーマーヤナの主人公、「ラーマ」の家臣でもあります。
ハヌマーンの容姿は猿の顔をしています。変幻自在で、大きくなったり、小さくなったり、また空を飛ぶこともできます。
またラーマや仲間を大切にする深い愛情も持っています。ラーマの弟が病気になったときには、薬草の生えている山ごと引っこ抜いて、かついでラーマの弟のところに届けるほどの怪力の持ち主です。
ラーマの最愛の妻、シータ妃が魔王にさらわれた時も、命がけで探し出し、ラーマに居場所を伝えます。
ラーマは、魔王にさらわれたシータ妃の貞節を疑い、救ったにもかかわらず、シータ妃を遠ざけたときも、ハヌマーンは必至で二人の仲を保とうと努力します。
ハヌマーンはラーマとシータ妃が大好きで、ハヌマーンの身体の骨には、二人の名前がぎっしりと記されていたり、ハヌマーンが胸を開くと、二人の姿があるとまで言われるほど、二人を慕って、守る忠義心を持っています。
ラーマーヤナの物語の中で、大活躍を広げたその存在は、その後、中国の「西遊記」の中に登場する、斉天大聖孫悟空のモデルになっているとも伝えられています。確かに、変幻自在で、雲に乗って空を飛び、怪力で、仲間を守り、尊敬する三蔵法師に忠義を誓うところは、まさしくハヌマーンそのものと言えるでしょう。
子供のころのハヌマーンはやんちゃで、太陽を果物と間違えて、空に昇って食べようとしたところを神様に怒られて、地面に落とされます。そんなところも、西遊記の中で孫悟空が、神様が育てている桃を盗み食いして怒られるところと似ていますね。また、現代でもハヌマーンは怪力と、忠義と愛を持った神様として寺院で祀られ、愛されています。
今回のお話しはいかがでしたでしょうか。これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。