2023.04.30(日)

古典書に記されたアーユルヴェーダの神様

前回は日本で仏教の守護神である帝釈天の姿でなじみのある「インドラ」、神々の王とも伝えられていることをご紹介しました。
 

 

これまで、インド神話の3大神やまたその妻、女神たちもご紹介してきましたが、今日はアーユルヴェーダらしい、アーユルヴェーダの神様と称される「ダンヴァンタリ」についてご紹介します。
 

 

「ダンヴァンタリ」は3大神の一人、「ヴィシュヌ」の生まれ変わりとも伝えられています。
 

 

不老不死の霊薬、「アムリタ」を作るために、神々は海を1000年もの歳月をかけてかき混ぜ、海は白濁したミルクのようになりました。(乳海攪拌)
 

 

そこから月の神様「ソーマ」や幸運の女神「ラクシュミー」が誕生し、最後に「ダンヴァンタリ」が手に霊薬「アムリタ」を持って誕生し、神々を不老不死にしたと伝えられています。病気や死を遠ざける力を持ってダンヴァンタリはアーユルヴェーダの神様、また医学の神様として称えられています。
 

 

ダンヴァンタリは4本の手を持ち、その手には霊薬「アムリタ」のツボ、医術が書かれた経典、ほら貝、ヒルを持っています。手に持つものが、北インドと南インドとでは違うとも言われています。
 

 

ヒルはアーユルヴェーダの治療で、汚れた血を吸いだす道具として使われ、病院では清潔な瓶にヒルを入れて、患者に使用しているそうです。また感染症を防ぐために、血を吸ったヒルは他の患者には使用せず、その人専用にするか、毎回山に帰しているそうです。
 

 

なかなかショッキングな治療ですが、アーユルヴェーダの神様ダンヴァンタリがヒルを持っているのもうなづけますね。今でも、アーユルヴェーダDrが治療する際や、アーユルヴェーダの勉強売る際には、ダンヴァンタリに捧げるマントラを唱えます。日本でもアーユルヴェーダ学会の学術発表の際には、ダンヴァンタリの祭壇を用意し、祈りをささげてから研究発表を行っています。
 

 

ダンヴァンタリは、日本には薬師如来として伝わり、日本でも、古来から、健康長寿、病気回復を祈る神様として親しまれています。
 

 

アーユルヴェーダを学び、その知恵を生かしたいと思う人は、ダンヴァンタリにそのご加護を祈ると良いと言われています。
 

 

今回のお話しはいかがでしたでしょうか。これからもアーユルヴェーダの古典書に書かれたおとぎ話のような神話をご紹介していきます。
 

 

一緒にアーユルヴェーダを楽しんでいきましょう。
TOPに戻る