2023.07.31(月)

フェムテックとアーユルヴェーダ

前回は日本で阿修羅像でもおなじみの、「アスラ(阿修羅)」についてご紹介いたしました。
 

これまで、数々のインド神話に登場する神様をご紹介してきましたが、今日は最近話題のフェムテックをアーユルヴェーダ的にお伝えしたいと思います。
 

フェムテックとは、フェム(女性)とテクノロジーをかけた言葉で、女性の身体の問題を解決しようとういう試みです。昨今の美容業界の展示会でも特設コーナーを設けるほどの人気となっています。その市場は、今後拡大すると予測され、10兆円規模のマーケットになるとも言われています。美容業界は、最新の情報を求める傾向にありますが、アーユルヴェーダは5000年の伝統療法です。流行とは真逆のようですが、もともと健康をベースに考えるアーユルヴェーダには、医学的なことから、ヘルスケア、またセルフケアなど、健康に関することが多岐にわたってアーユルヴェーダの古典書に記されています。そして今もなお、その古典書はドクター達が研鑽されています。アーユルヴェーダの古典書の中でも有名な、「アシュターンガ・フリダヤム印度医学八科精髄集総論編」(イナムラ・ヒロエ・シャルマ翻訳、ハリシャンカ・シャルマ監修北斗書房)の本の中に、フェムケアについて紹介されています。
 

古典書には子宮・膣(尿道)洗浄法(ウッタラ・バスティ・ヴィディヒ・ストリーナム)として、子宮や膣のケアの方法が記されています。
 

月経期間中から子宮口が開大するので、月経開始から16日間の間に、膣内油液注入を行うことで、膣内を浄化したり、病気の予防となります。
 

仰向けになって、リラックスし、膝を立てて、足を開き、油剤を注入します。
 

3日間、注入したら、3日間休むを繰り返し、月経開始からの16日間、ケアをします。そうすることで、PMS(月経前症候群)や不妊、更年期などの症状を和らげることが期待されます。
 

日本では、フェムケアはこれまでタブー視されて、話題にするのも恥ずかしいような文化でしたが、アーユルヴェーダの古典書にも記されているように、健康の為には、必要なケアとして考えられています。特に、女性の身体はとてもデリケートで、一生のうちにティースプーンにたった1杯の女性ホルモンを大事に使いますが、それも45歳のころには使い切り、身体の不調を感じ始めます。
 

明治時代の平均寿命は45歳でしたので、不調を感じる間もなく、人生が終わっていましたが、人生100年時代と言われる現代においては、フェミニンケアはある意味、女性が人生後半を生き生きと暮らしていくためには欠かせないケアとなってくるでしょう。このように、アーユルヴェーダでは、健康に生きていくための沢山の知恵があります。
 

これからも一緒にアーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。
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