2023.08.31(木)

食事や断食療法とアーユルヴェーダ

前回は最近、日本でもブームになりつつある、フェムケアについて、アーユルヴェーダの古典書に基づき、ウッタラ・バスティ・ヴィディヒ・ストリーナムについてご紹介いたしました。
 

アーユルヴェーダでは、5000年の昔より、様々な健康療法が研究され、医学のルーツとなっています。その中でも、食事や断食療法についても古典書にはいろいろな角度で細かく記されています。
 

アーユルヴェーダでは私たちの身体の特徴をドーシャ(病気の元)として判断し、それぞれの体質を三つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)と分けます。複合タイプも入れると、7つのドーシャとなり、それぞれに合った食事指導があります。
 

また、ドーシャだけではなく、季節なども考慮し、季節に合った食事も勧められています。そして、一般的には、古い食べ物は良しとせず、なるべく作り置きせずに新鮮なものを食すように勧められています。ですが、今では、冷蔵庫や冷凍庫など、文明の利器を使用し、昔のように、作り立てでないとダメという神経質になる事もないでしょう。
 

アーユルヴェーダのイメージなのか、日本ではビーガンやベジタリアンの方が良いと思われがちですが、古典書には、体力のない時には鶏肉のスープなどが滋養に良いとされています。また、ビーガンの方は食べないハチミツもアーユルヴェーダではよく使用します。
 

アーユルヴェーダの味覚は6つあり、「甘」「酸」「辛」「塩」「苦」「渋」の味覚をそれぞれのドーシャ別に、お勧めされています。
 

アーユルヴェーダでは何においても、バランスが大切と考えています。そして全てのものにグナ(性質)があり、冷性に対し、熱性、油性に対し、乾性など、相対する性質が沢山あり、それらを偏らず、食すことでバランスを整える考えがあります。特に、この猛暑の夏を健康的に過ごすには、身体を冷やす作用のある夏野菜などの冷性の食事も大切ですが、お腹が冷えすぎると消化力のアグニ(炎)の力が弱くなるので、白湯を飲むなども同時に行うと良いでしょう。
 

また、食べることで、胃腸も活発に動きますが、たまには休ませるために、また消化しきれていないものを排泄するためにも断食を進められています。
 

その昔、アーユルヴェーダDrのジーワカ先生はお釈迦様の主治医としても有名で、お釈迦様には週一断食の「ウポアズ」を指導されました。また、修行の中にも断食があり、断食をすることで、身体に向き合い、心身を整え、脳が瞑想状態になるとも言われています。断食も、最近ではファスティングと言って、生活の中にずいぶん浸透してきました。
 

私たちは、健康に生きていくためには、一生、食事と向き合っていかなければいけません。
 

健康に生きていくためにもアーユルヴェーダの食事療法は今後、見直されていくでしょう。
 

これからも一緒にアーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。
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