2023.12.31(日)

アーユルヴェーダ学会の研究総会②

前回は、10月に開催された第45回アーユルヴェーダ学会研究総会に出席したレポートをご報告をさせて頂きましたが、その続きとなります。

 

今回の学会のテーマは「食」。私たちの日常に、とても関わりのある内容です。その中で印象に残った講演内容をお伝えします。

 

私の子供のころは、沖縄は、日本で1番長寿の県だと認識していましたが、その座を明け渡し、どんどんと長寿県で転落・・・

 

その陰に、実は「食」が関係していたそうです。

 

沖縄は、日本の南に位置し、年間を通して温かく、亜熱帯地域となっています。

 

その土地で育った食材、お豆腐、お芋、よもぎ、ゴーヤや豚などが食を支えてきました。

 

味付けもシンプルで、味噌味や煮つけが多かったそうです。

 

沖縄は、日本でありながら、東京よりも、中国の方が近く、昔から中国文化の影響が数多く残っています。食文化も中国の影響が多いそうです。豚肉も中国から入りました。

 

日本の歴史の中で、肉を食べてはいけないという時代もあったのですが、沖縄はその決まりも届かず、豚肉を食べることが出来たそうです。豚肉には豊富なビタミンなどが含まれ、沖縄の熱い気候で失われた体力を回復するのにも適しています。

 

チャラカサンヒター37章にも「肉類ほど滋養に良いものはない」と書かれています。

 

よく、アーユルヴェーダを好きな人はベジタリアンだと錯覚されますが、確かにベジタリアンが多いのですが、古典書には肉食も勧められています。また、ゴーヤや瓜なども煮つけにして食べていました。これらも、沖縄独特の水の環境、サンゴ礁が多いことから、硬水で、ミネラルが豊富で、煮つけにして、スープごと、ミネラル補給が出来ていました。そういった食事が健康的で長寿県となっていたのですが、第二次世界大戦のあと、食文化が一変しました。畑には、沢山の砲弾が落ち、使える畑が減り、配給制度に頼ることになります。そこで、スパム、ベーコン、パン、小麦などこれまで食べなかった食へと変わりました。調理法も煮つけから焼く、炒めるに変化しました。スープと共に取っていたミネラルが補給されなくなり、逆に炒めることによる油の過剰摂取や、加工肉による添加物の摂取が増え、それと並行して、長寿県から転落していきました。

 

食がいかに、健康を左右するかを沖縄が体現してくれています。私たちはそれを対岸の火として見るのではなく、本当に私たちに振り替えて学ばせて頂くことが大切なのだと思いました。発表されたのは、今回のアーユルヴェーダ学会の大会長も務められた崎浜キヌさん。ご高齢でもありながら、それでも元気に、皆様に食の大切さを発表されていたのが印象的でした。

 

皆様に「沖縄にいらっしゃい。美味しい食事をふるまいますよ」とチャーミングに話されていました。

 

今回の学会は、私たちが日常でも意識できることが沢山ありましたので、何回かに分けてご報告させて頂きます。次回をお楽しみください。

 

これからも一緒にアーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。

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