今回も前回に引き続き、第45回アーユルヴェーダ学会研究総会について報告いたします。
アーユルヴェーダでは自分が生まれ育った土地で収穫されたものは身体に良いと考えられています。
私達日本人は、海に囲まれ、米を育ててきた民族です。前回、沖縄が長寿県から転落したのも食が大きく関係し、その土地のものでないものを取りすぎたことにより、長寿県でなくなったというお話をお伝えさせて頂きました。
これは、一つの県だけでなく、日本全体として考えた方がよさそうです。
まず、私たちは先祖代々、お米で育ってきました。最近はパンで育っている人も増えてきているかもしれません。米文化と麦文化の違いをお伝えします。
「米文化」
主食:米・魚・豚
調味料:魚醤、醤油、味噌、酢(発酵文化の発達)
嗜好品:おかき、お煎餅、お酒、焼酎
「麦文化」
主食:麦・牛・羊
調味料:バター、クリーム、フォンドボー(骨と肉のスープ)
嗜好品:クッキー、ケーキ、ビール、ウイスキー
こう見比べてみると、日本でも、米文化がだんだんと麦文化に変化しつつあることが分かります。
ですが、過去からの継承で私たちのお腹は、米文化に適するようになっています。そのため、麦文化の食事をするとお腹が緩くなる人も現れます。
また、日本人は昔から豚(イノシシ)を食べてきました。
西暦675年に肉食禁止令が発令されますが、その対象となった肉は牛・馬・犬・猿・鳥のみ禁止だったそうで、鹿とイノシシは食べてもOKだったそうです。また、肉の訓読みは「シシ」と呼び、日本人にとってイノシシは貴重な動物性たんぱく質だったようです。
現代においてはイノシシと同じ種の、豚を食するようになりました。なので、日本人にとっては牛より豚の方が体質に合っているのかもしれませんね。
アーユルヴェーダではベジタリアンのイメージが強いですが、アーユルヴェーダの古典書には、体力が弱ったときには肉のスープを飲むことも勧められています。
アーユルヴェーダ学会の今回の「食」のテーマですが、食は文化と密接な関係があります。「食文化」と言うくらいですから。今回の学会ではこのように、文化の違いも学ばせて頂きました♪
学会では沢山の発表がありましたので、引き続き学会の素晴らしい発表をレポートさせて頂きます。
これからも一緒にアーユルヴェーダライフを楽しんでいきましょう。