2017.03.05(日)

地域包括ケアにおけるヘルスビジネス事業は医療機関との連携が鍵!             「ヘルスケア産業の最前線2017」~経済産業省~

公益社団法人日本医師会 今村聡副会長
厚生労働省 健康局健康課 原渕明課長補佐
ヘルスケア事業発表ブースの模様

 

 3月3日、大手町の日経ホールにて経済産業省主催による「ヘルスケア産業の最前線2017」が開催された。経済産業省ではヘルスケア産業の創出・発展のため、地域におけるヘルスケアビジネスの実証事業、ヘルスケア産業の支援人材育成、ヘルスケア分野のソーシャルインパクトボンドに向けた取り組みを行っており、その今年度事業の成果報告会とヘルスケア分野で新たなビジネスの創造にチャレンジする企業を応援する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」を組み込んだフォーラムとなる。

 午前中には第1部として「平成28年度健康寿命延伸産業創出推進事業成果報告会」が行われ、3つの地域におけるヘルスケアビジネス実証事業と支援人材育成プログラム、ヘルスケア分野のソーシャルインパクトボンドに向けた取り組みが紹介された。

 続いて午後からは第2部「地域を支えるヘルスケアサービス事業者の事例紹介」が行われ、冒頭挨拶に立った公益社団法人日本医師会の今村聡副会長は「平成25年に国民の健康寿命延伸が政府方針として打ち出されて早4年が経ち、職域を問わず様々な取り組みが行われております。その中でも一昨年1月日本医師会、日本商工会議所を軸とした関連団体で発足した日本健康会議が非常に大きいと感じています。本日も経済産業省、厚生労働省、日本医師会が共催で行っておりますが民間企業が行う活動に対する協力など、今までになかった連携が生まれ具体的な活動につながっていくことは大変意義のあることだと思っております。日本健康会議の活動宣言「健康な街、職場づくり宣言2020年」の中で、予防、健康づくりの企画・実施を行う企業の質の向上のため認証の仕組みを設け、一定の基準を満たすヘルスケア事業者を100社以上にすることを目的に掲げました。昨年の2016日本健康会議では88社が推薦を受けていると報告がなされ、早くも目標に届きそうな勢いです。質の高いヘルスケア業者の持つノウハウを活用し、職域における効果的な健康増進、疾病予防につなげていくことは非常に大切であると思います。一方で地域包括ケアシステムの構築が進められており、地域の実情に合わせた包括的な支援を提供できることが求められております。かかりつけ医や産業医など医療関係者との連携の下で協働して国民の健康づくりに貢献することが重要です」と述べた。引き続き、医療機関や介護施設等と連携しつつ公的保険外のヘルスケアサービスを提供し、地域に貢献している事業として、静岡県の竹屋旅館が行っている糖尿病患者でも楽しめる「人を幸せにするフルコース料理」、資生堂ジャパンの「心のフレイル予防のための美容的ヘルスケアサービスの新たな展開」、そして、社会福祉法人渓仁会の過疎化が進む小規模自治体で行う「複数自治体・民間連携型健康サービス事業」が紹介された。

  第3部では、昨年度に続き次世代のヘルスケア産業の担い手を発掘・育成するため、新たなビジネス創造にチャレンジする企業・個人を表彰する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」の発表が行われ、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の「排泄予知ウェアラブル「DFree」」がグランプリを受賞、また、エルピクセル株式会社の「医療画像診断支援システム」、株式会社O:(オー)の「世界初、体内時計を可視化して、睡眠を改善するサービス」、ヘルスグリッド株式会社の「実年齢から身体年齢アセスメントによる意識革命で日本を活性化」、株式会社メドレーの「医療をもっと身近に 「MEDLEY」×「CLINICS」構想」、株式会社リクルートライフスタイルの「スマホでできる、精子セルフチェック『Seem(シーム)』」が優秀賞を受賞した。

 

 

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