2017.03.09(木)

スポーツツーリズムは究極のコト消費!    地域のイノベーションをも誘発!         ~早稲田大学スポーツ科学学術院・原田宗彦教授~

早稲田大学スポーツ科学学術院・原田宗彦教授

 

 「ヘルスケア&スポーツ街づくりEXPO2017」(東京ビックサイト)会期中に行われた「スポーツ・ヘルスツーリズムによる地域イノベーション」と題した講演に登壇した早稲田大学スポーツ科学学術院・原田宗彦教授は「スポーツ・ヘルスツーリズム」について、予定調和性と回帰性というツーリズムの基本的な特徴を持つ時間消費的なレジャーであり、健康な人をより健康にするために、スポーツ、運動、食、自然体験、美容などを組み合わせた楽しい観光体験活動を実践する仕組みや考え方であると定義。また、スポーツの陰の部分として肥大化したスポーツビジネスやドーピング汚染、観戦チケットの高騰などがある一方、スポーツイベントが持つ社会的効果、都市空間の開放やエリートスポーツの民主化、スポーツ用品の機能向上とスポーツイベントへの参加者の増加などの光の部分によってスポーツの力が見直され、スポーツ産業が進化してきている現状を説明した。

 

 また、スポーツ産業を「スポーツサービス・情報」、「スポーツ用品」、「スポーツ施設」の3つに分け、さらにそれぞれを細分化した中でのビジネスの具体的な可能性を示すとともに、これらスポーツ産業とコラボレーションができるカテゴリーとして「食」「医療」「ICT」「健康」「ファッション」「アート」「アミューズメント」等をあげた。さらに、スポーツ都市戦略としては「移動が可能なコンパクトな街づくり」「持続可能な街づくり」「スポーツツーリズム」そして「アクティブライフスタイルを可能にする街」の4つが基本コンセプトとし、SNSの革命的な登場で、関心⇒検索⇒体験⇒感動・共感⇒共有⇒注目、そして関心へといったプラスのサークルが回りだすことによって、スポーツ産業はさらに発展していくと述べた。

 

 さらに、日本政策投資銀行が2015年11月に実施した、アジア8地域の訪日外国人4111人を対象にしたアンケートでは2位のオーストラリア、3位の韓国を抑えて、行きたい国、実際に訪問を検討している国の双方で日本が第1位であることを紹介、インバウンド観光においてはスポーツ×観光×文化が最良のプロダクトミックスであり、また、スポーツツーリズムは究極のコト消費で、地域のイノベーションも誘発すると解説した。

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