2017.03.22(水)

2025年までに高度急性期病床が16~20万庄削減! 栄養ケアステーションの事業モデル構築が急務! ~「スマイルケア食」の普及・推進研修会~

公益社団法人日本栄養士会 田中弥生常任理事
管理栄養士と企業関係者で満員の会場
医療法人新都市医療研究会「君津」会南大和病院 工藤美香栄養部長

 

 3月22日、公益財団法人食品流通構造改善促進機構主催の「スマイルケア食」の普及・推進研修会が東京都内で開催された。このお研修会は 農林水産省の平成28年度地場食材活用栄養改善促進事業の一環として行われたもので、店頭等で各々の状態に適した選択ができるよう、その固さ等に応じて赤・黄・青マークを表示する「スマイルケア食」制度の運用が平成28年11月から本格的に開始されたことを受け、「スマイルケア食」についての理解を深めてもらうために開催された。

 

 開会に先立ち公益財団法人食品流通構造改善促進機構の馬場久萬男会長は「我が国は高齢化社会を迎えそれがますます加速してまいります。それに伴って介護商品のニーズも高まってまいります。本格的な制度の運用が始まり、すでに市場に出ております青マークに加えて黄・赤も市場に出る見通しが立ったとのことで、スマイルケア食がさらに普及し利用されるように、利用される管理栄養士の方々、また開発される企業の方々を中心としてこのような研修会を企画させていただきました」と述べた。

 

 続いて「栄養ケア・ステーションの始まり」と題した講演で公益社団法人日本栄養士会常任理事の田中弥生氏は、現在ある一般病床109万庄のうち、高度急性期用の病床16万~20万庄が2025年までに削減される予定で、いよいよ施設から地域へ、医療から介護への流れが加速してくるとして、かかりつけ医を中心とした新しい医療計画の概要を説明した。さらに栄養ケア・ステーションと都道府県栄養士会とのビジネスモデル、地域における栄養ケアネットワーク薬局構想、在宅訪問栄養食事指導の効果などを数字を用いて細かく解説し、そのうえで摂食・嚥下困難者の多種多様なケースによって新しい介護食の考え方が必要として、スマイルケア食の具体的な利用方法を示した。

 

 その後「スマイルケア食を利用した栄養管理」と題して医療法人新都市医療研究会「君津」会南大和病院の工藤美香栄養部長が医療現場での実際の使用例を紹介、また農林水産省食料産業局食品製造課長の神井弘之氏が「スマイルケア食」の取り組みについて講演を行った。

TOPに戻る