弊社も出展いたします! ご来場の際はぜひ
弊社ブースへお立ち寄りくださいませ
2017.03.29(水)

原料原産地表示制度改正は多くの問題を抱えたまま2017年夏に基準改定へ! 猶予期間は3年!  ~第39回食品表示部会(消費者委員会)~

第39回食品表示部会
阿久澤良造消費者委員会食品表示部会長 (日本獣医生命科学大学学長)

 

 3月29日に消費者委員会において第39回食品表示部会が開かれ、食品表示基準の一部改正に係る審議が行われた。これは、3月22日に内閣総理大臣臨時代理の立場で麻生太郎国務大臣から出された「食品表示基準(平成25年法律第70号)の加工食品の原料原産地表示制度に係る規定及び別表を別表新旧対照表のとおり一部改正することに関しての「諮問書」(消食表第156号諮問書(加工食品の原料原産地表示))に応える形で開かれたもの。

 

 まず、消費者庁から原料原産地表示制度に関する食品表示基準改正の概略説明が資料に基づいて行われ、現在22食品群+4食品について義務化されている原料原産地表示は今後全加工食品が対象となること、重量順位が1位のものは50%以下であっても表示義務がでること、さらに大括り表示や可能性表示などの概略が示された後、委員からの意見や質問によるヒアリングが行われた。

 

 一般財団法人食品産業センター参与の渡邊健介委員から「今回の改正はあくまでも消費者の自主的かつ合理的な選択に資するためのものでなければならいことが前提である。公正競争規約に定められているものはこちらを優先すべきであり、また特に中小企業には非常に理解がしづらく運用当初は恣意的でない間違いも多発する恐れがあり、いきなり回収命令といったような制度運用は控えていただきたい」と述べたのに対して、消費者庁表示対策室の三上室長は「違反に関しては個別に対応していく。違反者に回収を直ちに求める意思はない」と述べ一定の理解を示した。

 

 独立行政法人国民生活センター理事の宗林さおり理事からの食品表示の監視体制に関しての「消費者庁と農林水産省で調査を行っているとのことだが件数はどのくらいなのか」といった質問に対して、農林水産省の担当者は「平成27年度前半で約15000件、年間約3万件程度、主に巡回・パトロールや疑義情報の提供などによって監視が行われている」と回答、さらに事業者名の公表数に関しては「平成26年度が国の指示14件、都道府県の指示20件、命令が1件、平成27年度は国の指示が5件、都道府県の指示23件、命令2件、このすべては事業者名を公表している。そのほか平成26年度で404件、平成27年度で308年の指導があったが、こちらは事業者名は公表せず、違反の内容をホームページ上で公開している」と説明した。

 

 高知大学副学長で地域連携推進センター長の受田浩之委員は「今回の制度改正は事業者の実行可能性が優先され消費者とっては難しい制度になったと思う。消費者に対して原料原産地表示制度を普及啓蒙するということが重点項目の一つであげられているが、それ以前に消費者がこの表示の意味を理解できるかどうか」と懸念を示し、「最近盛んに国でもKPI(Key Performance Indicator)を設定して検証をしている。この事業も猶予期間の3年、そして5年後といった一定期間で定点観測をして成果を数字で表していただきたい」と要望した。これに対して消費者庁食品表示規格課の赤崎課長は「国の制度で作りっぱなしという事はしない。必ず施行後もしっかりと後追いをして不足部分や改良点は都度検証し、より良い制度にしていくよう努力する」と述べた。

 

 日本生活協同組合連合会品質保証本部安全政策推進部の井之上仁委員は「そもそも製造地表示は原料原産地表示と言えるのか疑問。また似たような言葉がいくつも制度の中にあって消費者には非常にわかりづらい。さらに可能性表示に関しては消費者が余計混乱するし、これだけ表示が増えるとさらに文字が小さくなって見えない。またこの制度では意図的になんとなく国産という商品が多発する恐れがある。」と苦言を呈した。これに対しても赤崎課長は「加工食品にとっての製造地表示はまさに原料原産地表示と理解しており、典型的な例がベルギー産チョコレート。また、可能性表示に関しても消費者が混乱するとは思わず逆に理解しやすくなると思う」と真っ向から反論した。

 

 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント相談員協会専門委員の蒲生恵美 委員は「我々の調査では、表示の字が小さくてもいいから情報をたくさん書いてほしいという人が約27%に対して、優先的に必要な情報をわかりやすく大きな字で書いてほしいという人が約73%。原料原産地表示は食品表示の一部であり、包括的に考えるべき」との意見を述べた。

 

 今後、原料原産地表示制度改正はパブリックコメント、WTO通報を経て、今年の夏にも内閣府令改正・食品表示基準改正へと歩を進める。尚、猶予期間は3年間の可能性が高い。

TOPに戻る