2019.04.26(金)

「大麦若葉エキス末」の骨格筋への糖取り込み促進作用が明らかに〜東洋新薬〜

 東洋新薬(本社福岡県福岡市、本部佐賀県鳥栖市、代表取締役社長・服部利光)は、東京大学生産技術研究所 竹内昌治教授、株式会社セルファイバ(本社東京都文京区、代表取締役・安達亜希)との共同研究において、大麦若葉エキス末が骨格筋への糖の取り込みを促進することを確認。日本農芸化学会2019 年度大会において発表された。大麦若葉エキス末は、イネ科オオムギの若葉部を非加熱で圧搾し、乾燥させた機能性食品素材で、ポリフェノールや総クロロフィルを豊富に含み、青汁などの原料として用いられている。同社は2016 年10 月に東京大学と連携協定を締結し、健康食品、化粧品等の新規素材開発及び製剤技術開発とその実用化に向けた共同研究を推進してきた。これまでの研究で大麦若葉エキス末の整腸作用、抗酸化作用が示されていたが、今回新たに構築した細胞ファイバを用いた実験系において、大麦若葉エキス末が骨格筋への糖の取り込みを促進することを確認した。今回の共同研究で用いた細胞ファイバ(骨格筋ファイバ)はマウス筋芽細胞(C2C12)を細胞外マトリクスと共に筒状のゲルの中空に流し込んで培養し、骨格筋細胞へと分化を誘導したヒモ状の細胞組織で、筋肉、血管など体内の繊維状の組織構造を模倣した三次元の細胞組織を作製することが可能なため、従来の三次元培養(細胞の凝集塊を形成させ三次元的に培養する方法。細胞を単層で培養する平面培養<一般的な細胞培養技術)>よりも、より生体に近い条件での評価が可能)よりも、より生体に近い条件であるといえる。試験は骨格筋ファイバに大麦若葉エキス末または大麦若葉エキス末+Wortmannin(インスリンシグナルの阻害剤)を添加・培養した後、糖を添加し、骨格筋ファイバへ取り込まれた糖の量を測定した。その結果、大麦若葉エキス末による糖の取り込み促進作用が認められ、それがWortmannin によって抑制されることが確認された(図参照)。

 以上のことから、大麦若葉エキス末はインスリンシグナル(インスリンがインスリン受容体に結合することで活性化し、血液中の糖(グルコース)を細胞内へと取り込む。筋肉への糖の取り込みは、インスリンシグナルと筋収縮によって活性化される経路の2つが知られている)を介して骨格筋への糖取り込みを促進することが示唆され、大麦若葉エキス末の摂取は筋肉のエネルギー産生や血糖値の低下に有用であることが考えら、また、骨格筋ファイバを用いることで、従来の技術よりも生体に近い条件で大麦若葉エキス末の骨格筋への糖取り込み促進作用が確認された。

 

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