12月5日(木)に東京・渋谷に「渋谷フクラス」が開業した。渋谷フクラスは東急不動産の大型商業施設東急プラザが中心となり、『都会派の感度が成熟した大人たち』をコンセプトに再開発された商業ビルで渋谷駅と直結。またバスターミナルも整備され羽田空港や成田空港などへのアクセスも容易になった事で訪日外国人の大半を占める中国人訪日観光客などインバウンド需要が期待できる街へと拍車がかかった。同ビルには69店舗が入るがその内の1店舗にエステプロ・ラボ シブヤが4階にオープンした。同社を運営するプロラボホールディングス(本社東京都港区、佐々木広行会長)はエステティックサロン専売商品を中心に展開するインナービューティを掲げた美容メーカー。エステティックサロンや美容サロンは「クローズドマーケット」と言われ、そこに行かないと買えないといった大きな特徴があり、一般流通では購入できなといった差別化が図れるため販売する側にとってもメリットは大きい。ただ、昨今のSNSやフリマサイトの普及、訪日中国人の増加に伴うインバウンド需要に全て対応するには限界がある。そういった問題を逆に活用するのもブランディングの一つ。同社ではこれまでも銀座や青山、大阪、福岡天神など直営サロンを展開。国内だけに留まらず中国をはじめ、海外にもブランドの名を浸透させていく戦略を進めて来た。
エステティックサロンや美容クリニックを中心に美顔器を主力とした美容機器を販売する美容機器メーカー、ARTISTIC & CO.(本社岐阜県、近藤英樹社長)も今年1月に日本が世界に誇るホテルニューオータニ東京に直営店舗をオープンした。同社は国内だけに留まらず中国や韓国などアジアへの直営店舗も多く展開。また8月には台湾の人気トップ女優、リン・チーリンさんとのブランドアドバイザー就任記者発表をするなどブランド力アップを図っている。クローズドマーケット市場ではこれまで、メーカーや販売会社が積極的に一般市場への認知度を図る動きは少なかったが、ブランド力をアップさせることで、最終的にはエステティックサロンやクリニック、整骨院、スポーツクラブなどのクローズドマーケット市場の販売現場のサポートに繋がっている様子が見られることからも、クローズドマーケット市場は時代の変化と共に進化している様子がうかがえる。