2020.02.19(水)

抗シワ原液化粧品も可能な超高分子プロテオグリカン原料

 サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン(以下PG)は、原料をそのまま詰めた原液化粧品を筆頭に、数多くの化粧品に配合されている機能性原料である。このPGは、コアたんぱく紐にグリコサミノグリカンを結合した多糖類の一種であり、EGF様活性やFGF様活性を有することが特徴である。また、分子量も大きく、肌バリア機能も優れている。近年、分析技術の進化により絶対分子量の測定も可能になり、リナイス社のPG化粧品原料の絶対分子量は、従来品の42万ダルトンに対して、240~350万ダルトンと非常に大きいことが確認されている。複数の非変性なPGが架橋しているものと推測されている。そして、分子量が異なる両原料は、超高分子のPGの方が従来品の約3倍粘度を有することわかっている。この粘度の差だけでも、両PGの機能性にも差があることが推測できる。

 また、この超高分子のPGは、1PG原液と0.3PG原液でヒト臨床試験が実施され、その優れた保湿性や抗シワ作用が証明されている。なお、0.3PG原液の評価は、日本香粧品学会の抗シワ試験ガイドラインに準じて実施された。

 1%PG原液の試験は、30~49歳の日本人女性6名で実施され、8週間の使用後、シワ(長さ・面積)・水分蒸散量・肌弾力性が評価された。ブラインド条件で水もしくは1%原液PGを右頬もしくは左頬に塗布し、水塗布と1%PG原液塗布の頬データを比較することで評価した。結果、何れの評価項目でも有効性が示され、特にシワの総面積で顕著な有効性が認められた。

0.3PG原液では、日本人女性17名で実施され、3週間・6週間の使用後、目視ならびに写真による判定、皮膚水分量測定が行われた。結果、使用6週間後、全ての項目において、有意な差が示された。また、使用3週間後でも、目視に

よる評価と肌水分量において、有意な差が示された。したがって、0.3%PG原液は、乾燥によって生じる小じわに対して有効性であることが確認された。

 これらのヒト臨床試験の結果より、超高分子のPGは、保湿に限らず、シワに対して有効であることが示された。0.3%PG原液は、そのまま抗シワの原液化粧品として流通が可能であり、PGを0.3%配合した化粧品は抗シワ試験で有効性が認められる可能性が極めて高いことが示された。今後、市場では、この超高分子PGを配合した抗シワ化粧品なども増えてくると予測される。従来の1%の1/3以下の濃度で有効性が示されたことより、機能性は保ちつつ、従来の1%品より価格競争力のあるPG商品も現れてくるであろう。

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