2021.10.04(月)

トクホ市場が10年ぶりに6000億円を割り込む! ~新規許可品目数も歴代2番目に低く!~

一般財団法人日本健康・栄養食品協会は1997 年(平成9 年)度から特定保健用食品の市場規模調査(以下、調査)を行って行政・学術関係者、国内外のマーケティング関係者など各方面に資料として提供している。この度7月末に2020年12月に行った15回目の調査による市場規模の推定と表示許可等の現状が公表された。

調査方法は特定保健用食品の表示許可を取得した企業に対してアンケート方式で20 年度の品目別販売見込額および販売経路別市場構成について調査を実施。アンケートは2020 年12月末現在許可取得の10 71品目を持つ企業150社のうち、3 月末までの失効品目を除く10 71品目150社を対象に行なわれ、140社(回収率93.3%)、1056品目(回収率98. 66%)について回答が得られている。この調査は1997年度から2013年度までは隔年で実施、2013年度以降は毎年実施している。

 

 結果として、2020年のトクホ市場規模は5610億円と前年から880億円減少、2011年以来10年ぶりに6000億円の大台を割り込んだ。また新規許可件数も11件と制度スタート2年目の1994年の10件に続く低さとなっている。

 

特定保健用食品は制度開始から30 年目となり、ある程度の普及はしたもののここ10年は市場規模6400億円前後で当たうちの状態が続いていたが、ここにきて初めての大きなダウンとなった。2015年にスタートした機能性表示食品制度が6年間で届出件数4000以上、市場規模は3000億円ともいわれる進捗を見せているのとは対照的で、健康食品や機能性食品の多くが機能性表示食品に軸足を移しつつある可能性を示す数字でもある。

 

2020年度に行われた消費者庁「特定保健用食品(疾病リスク低減表示)に関する検討会」も低調に終わり、本年度に行われる『特定保健用食品制度(疾病リスク低減表示)に関する調査事業』でも、虫歯予防等限定されたものになる予定だ。

 

なお、日健栄協では特定保健用食品(トクホ)市場規模調査を今年度にて一旦終了、再検討を行うとしている。

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