2015.01.06(火)

高齢化社会に向けた機能性素材

高齢化社会に向けた機能性素材−−−オリザ油化

 

高齢化社会に突入し、今後の健康・美容関連市場において注目度がますます高まってくるのが「エイジングケア」 ──原料メーカーのオリザ油化(本社愛知県一宮市、電話0586-86-5141)が展開する各種機能性素材にはそれに応える様々な製品があるが、 今回は「ツバメの巣エキス」と「黒ショウガエキス」に絞り、エビデンスデータなどから製品の価値を探ってみる。

 

皮膚細胞増殖作用や性機能·脳機能向上作用など
エイジングケアの価値秘めた素材に自信
「ツバメの巣エキス」や「黒ショウガエキス」のデータで実証

 

エイジングケア素材(1)
ツバメの巣エキス

 

エンジングケアに関して、ここ数年注目されてきたのが「EGF」。EGFとは、「上皮細胞増殖因子」のことで、細胞機能を正常化し、 その増殖を促す働きを有するほか、創傷治癒効果などがあることから、化粧品等のアンチエイジング成分として脚光を浴びてきた。 EGFはもともと人体に広く分布しているが、加齢などによって減少し、細胞の活性が衰えることで老化へとつながるとされている。 同社が展開している「ツバメの巣エキス」は、このEGFを豊富に含んだ天然素材であることが特徴。高品質とされるタイ産のアナツバメの巣を原材料に、 超高圧酵素処理によって機能性成分をエキス化し、さらに主たる機能性成分として、免疫力向上・脳機能改善・抗ウイルスなどの効果を有することが知られる シアル酸を規格化したもの。末端商品の訴求目的や形態などに応じて様々な食品・化粧品に利用することが可能だ。 同社が取得しているエビデンスデータから具体的な機能性として、「皮膚細胞増殖作用」を表わしたのが、左の図1と図2になる。 図1は皮膚のキメや滑らかさに関係するケラチノサイトに対して、図2は皮膚のハリや弾力にかかわる線維芽細胞に対しするそれぞれの細胞増殖作用を示したもの。 図1で特徴的なのが、0・05%の低濃度であっても、+72%もの高いケラチノサイト増殖率があるということから、肌本来の美しさを引き出すことにつながっている。 また、同素材による創傷治癒効果について、ケラチノサイトを用いたスクラッチ試験で評価した結果、濃度依存的に傷の塞がりを促進し、傷修復に対する有効性が示された。 図2の線維芽細胞に対しては、容量依存的に細胞増殖作用が確認でき、ハリと弾力のある若々しい肌づくりに貢献できる機能性素材であることを明らかにしている。 また図1と図2はin vitro試験であるが、同素材を配合したジェルを使用したヒトモニターテストもある。 ジェルの塗布による①皮膚弾力②皮膚水分蒸散量③ひび割れにおよぼす影響を検証したもので、被験者は男女5名ずつ。 ツバメの巣エキス配合ジェルならびにプラセボジェルを1日2回、二の腕と踵に1カ月間塗布、比較検証したもの。 結果、プラセボジェル塗布ではほとんど変化が見られなかったのに対し、皮膚弾力では女性では平均19%、男性平均7%の向上が認められたという。

 

エイジングケア素材(2)
黒ショウガエキス

 

「ツバメの巣エキス」が女性を主対象とした美容関連製品への応用が期待できるの対し、もうひとつのエイジングエケア素材「黒ショウガエキス」は、 男性のアンチエイジングを訴求できる性機能向上作用を有しているのが特徴。「黒ショウガ」とは「黒ウコン」ともいわれており、原産国のタイでは 1000年以上昔から精力増進や滋養強壮があることが知られているもの。機能性成分として10種類以上のフラボノイド類を含有しており、 ショウガ科の植物に共通する冷え性・むくみ改善、メタボリックシンドローム予防なども期待できる素材だ。 性能力向上作用にかかわるの機能性が、酵素の一種であるPDE(ホスホジエステラーゼ)5を阻害する作用。 PDE5を阻害する男性性機能障害治療薬として代表的なのがバイアグラになる。 左の図3は、PDE5の阻害率を性機能を向上させる機能性素材として知られるヒハツエキスやショウガエキスと比較検証したもの。 「黒ショウガエキス」は低濃度からPDE5阻害率が確認されているが、ヒハツエキスならびにショウガエキスに同様の作用はないことを確認している。 しかし、この見逃せないのが、それぞれが異なるメカニズムで性能力増強作用を発揮するということ。つまり、「黒ショウガエキス」はPDE5阻害作用 というメカニズムで性機能向上を実現するが、他の機序で同じ機能性を発揮する素材とのコラボレーションも可能であるということだ。 また、「黒ショウガエキス」で興味深い機能性のひとつが、「脳機能改善作用」。高齢化社会における大きな問題として認知症患者の増加がそのひとつに あげられており、脳のエイジングケアの必要性も高まっている。そこで同社が脳機能改善について取得したのが図4になる。 実は脳機能についてはPDE2が関与しており、この酵素を阻害することで記憶機能の改善につながるという。 そこで「黒ショウガエキス」とヒハツエキスならびにショウガエキスのPDE2の阻害率を比較したのが図4になる。 結果、「黒ショウガエキス」は、ヒハツエキスやショウガエキスと比べて、100倍以上のPDE2阻害活性作用を認めることができた。

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