2015.02.17(火)

スペシャルインタビュー

Brazilian Embassy in Japan
Head of Trade Promotion Section
First Secretary
Mr. FABIO SCHMIDT
駐日ブラジル大使館
通商部 部長
一等書記官
ファビオ・シュミット氏

ブラジル&日本-外交関係樹立 120周年記念特別号

 

スペシャルインタビュー

 

「ブラジリアン·ライフスタイル」を
日本に広くPRしていきたい

 

---本日は大変お忙しい中ファビオ一等書記官にインタビューをさせていただく機会をいただき誠にありがとうございます。 まずは本年(2015年)の「ブラジル・日本 外交関係樹立120周年記念」についてお伺いできればと思います。

 

ファビオ はい、本日は何卒よろしくお願いいたします。2015年はブラジルと日本が国交を樹立してから120年の記念の年になります。 ブラジル大使館ではもちろんですが、本国ブラジルでもたくさんの記念行事が開かれることになると思います。 ブラジル大使館では、文化面、政治面でのさまざまなイベント、そして通商部としても貿易その他に関しての イベントなども進めていきたいと考えており、これらを通じて日本とブラジルの関係がさらに強化されることを願っております。 大使館では文化的な面からもブラジル商品のPRができるのではないかと考えており、その一例として「カフェ・ド・ブラジル」 という喫茶店を再現しようと考えております。これは1930年代に銀座に実際にあったコーヒーショップで、ブラジルに 渡った有名な画家の「フジタ氏」の壁画が飾られており、当時は様々な面で高く評価されていた素晴らしい喫茶店だと聞いております。 今回はこの「カフェ・ド・ブラジル」を可能な限り忠実に再現できればと考えており、日本のみなさんとの昔からの友好の絆に思いを馳せ、 さらにその絆を強くしたいと考えております。

 

---それはすごい計画ですね。

 

ファビオ 商業面では貿易面でのブラジル商品の促進のイベントがいろいろと企画されています。 FOODEXをはじめとする数々の見本市への出展もそのひとつですが、それ以外でも大使館ではたくさんのセミナーを考えております。 日本企業がブラジルに進出する際に参考となるようなブラジルへの投資関連セミナー、 食品関連ビジネスやアグリビジネスのセミナーも開催したいと考えております。 もうひとつ、大使館として特に重視していることは、日本に幅広く「ブラジリアン・ライフスタイル」をPRしたいという事です。 ブラジルは日本と同じように、世界でも数少ない独特なライフスタイルや文化を持っている国だと思います。 このライフスタイルを包括的に紹介し、それと同時にブラジルのさまざまな商品も合わせてアピールできればと考えております。 さらに、ブラジルの工業や農業に関する高度な最先端の研究、またファッションや近代的な産業もご紹介していきたいですね。 また、ブラジルは健康食品にも高い関心を持っている国ですので、健康にいい食品、オーガニックの食品はライフスタイルの一環となっております。 さらに、ブラジルでは、消費者だけでなく企業にとっても、持続可能で、環境にやさしいという事が最大のテーマであり、 これらも「ブラジリアン・ライフスタイル」の一環として日本に広くPRしていきたいと考えております。

 

ブラジルの魅力は文化的、社会的な多様性と
他人を温かく迎える精神

 

---昨年は安倍首相がブラジルを訪問しました。

 

ファビオ そうですね。政治外交に関しては、政治家の相互訪問も増えると思いますし、 多くのハイレベルな二国間協議が行われるのではないかと思っております。1つの例としては昨年、 農業に関するハイレベルな協議がありましたが、今年もそれを開催することをブラジルとしても願っております。 また、これは現時点では未定ですが大統領来日も近い将来実現されるよう大使館としても努力しております。

 

---農業に関しては特にブラジルと日本とは関係が深いですね。

 

ファビオ 日本とブラジルの農業に関する関係は、120年前に外交が樹立した直後から日本人の移住が始まり、 それを皮切りに、日本人はブラジルの社会と経済の発展に大きく貢献してきましたが、その中できわめて農業分野での貢献は大きいと思います。 当時、農地として全く開拓されていなかったアマゾンのような未開の地域を開拓して成功を収め、また農産物、 とりわけ多くの野菜類などをブラジルに導入し、農業の発展に貢献していただきました。 その中でも特に大きなプロジェクトは、ブラジル中央部のセラード地区の開拓を日本と協力して進めてきたことです。 これによってセラード地区に大きな農業の一大ブームを起こすまでになりました。 このような、ブラジルの農業レベルの向上による農産物の生産増加によって、日本にとっても安定した食料の供給源が確保できるという事で、 日本の食糧安全にも大きく貢献しているのではないかと思います。 今後は、ブラジルから、ただ農産物を生産輸出するだけではなく、さらに付加価値をつけた食品を日本に輸出していきたいと考えております。 これによって日本のスーパーなどでのブラジル産の農産物や食品の品揃えもさらに増えて多様化していくのではないかと思います。 さらに、ニッチな市場へのブラジルの製品の可能性についてですが、例えば、オーガニック商品や持続性を重視した環境にやさしい商品、 あるいは社会的な側面を取り入れた生産方法で作られた農産物なども面白いと思います。

 

---そういった魅力的なブラジルの農産物などの輸入に関してですが。

 

ファビオ FOODEXにもかかわってまいりますが、ブラジルの大きな特徴の一つは多様性です。 今回のFOODEXでは50以上の企業がブラジルパピリオンに出展します。その中には日本にはまだ入っていない、 大変珍しい商品もたくさんありますので、この機会に、これらの商品が日本でも取り入れられることを切に願っております。 日本への輸入が禁止されているものも一部あり、そのひとつが牛肉です。現在、ブラジル政府から 日本政府へさまへさまざまな情報を提供させていただき、日本政府にはそれらの情報を非常に高く評価していただいております。 ブラジルの商品の品質はかなり高いという事には変わりませんので、これは日本政府も十分理解されていると思います。 この問題は、まもなく解決されて、また再びブラジルの加熱処理の牛肉の輸入が解禁されるのではないかと思っております。

 

---一等書記官からみられたブラジルの魅力はどんなところでしょうか。

 

ファビオ 難しい質問ですね(笑)。ここではブラジルの魅力を2つあげさせていただきます。 まず一つはブラジルの多様性ですね。文化的、社会的、さまざまな面でこのように多様に満ちた社会を持っていることに 対してはとても恵まれている国だと思っております。2つ目はブラジル人の他人を温かく迎える精神です。 これはブラジル人としても非常に誇りの持てることだと思います。見知らぬ外国人に対してもブラジル人は温かく迎えることができますし、 常に友達になることを心掛けております。このあたりの事も、最初に申し上げました 「ブラジリアン・ライフスタイル」PRの一環として、“心惹かれたブラジル”を世界にアピールしていきたいと思います。

 

---今後もブラジルと日本が更なる強い絆で結ばれていく事を願っております。本日はお忙しいところ大変ありがとうございました。

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