2015.07.07(火)

特集 アスタキサンチンの現在地

表「ヘマトコッカス藻アスタキサンチン」
アスタキサンチン工業会品質規格基準

特集 アスタキサンチンの現在地

 

国内のみならず海外での採用着実に広がり
カロテノイド市場の牽引役に
まもなく機能性表示食品としての流通も

 

2015年6月25日現在、消費者庁が公開している「機能性表示食品」の届出件数は43件あるが、 そのなかでアスタキサンチンを「機能性関与成分名」として届出しているは2社、2アイテム。 ファンケルのサプリメント「えんきん」と、その他加工食品として伊藤園が「ブルーベリー&アサイーMix」 をそれぞれ届出ている。ファンケルが表示しようとしている機能性は、「本品はルテイン・アスタキサンチン・ シアニジン─3グルコシド・DHAが含まれるので、手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による 肩・首筋への負担を和らげます。」というもの。一方の伊藤園は、「(略)アスタキサンチンには眼のピント 調節機能をサポートし、眼の調子を整える機能があると報告されています。」となっている。 アスタキサンチンの機能性については、当初から眼精疲労回復などへの期待感が高く、 関連するエビデンスデータも充実しているという。今回の機能性表示食品として届出のある2品についても 「眼の健康」への訴求となっており、アスタキサンチンの機能性のなかでもわかりやすく、 一般消費者にとっても興味を惹きやすい内容になっているようだ。アスタキサンチンにはこの他にも メタボ対策や運動パフォーマンス向上、さらには美容に関連して美肌作用など多種多様にわたる機能性が 確認されており、健康食品、化粧品への配合が着実に広がっている。さらにアスタキサンチンの用途として、 一般加工食品のほか食品添加物や着色料としての採用が進んでおり、このあたりが他の機能性素材とは異なる 特性の裏づけとなっているようだ。また、その需要は国内のみならず欧米ならびにアジア圏でも採用も広がって いるといわれており、アスタキサンチンが含まれる「カロテノイド市場」を牽引する素材のひとつとなっている。 着実に広がりを見せるアスタキサンチン市場であるが、今後の安定的な成長のために2008年に発足したのが アスタキサンチン工業会。同工業会では、アスタキサンチンの品質規格基準(左表参照)を作成するなどし、 素材の均一化に取り組んでいるが、一般における同素材の認知向上を目的にした取り組みも活発に行っている ようだ。今回はアスタキサンチン業界の主要メーカー動向などを中心に、特徴的なエビデンスデータや業界内の 最新情報などについてまとめてみる。

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