2016.01.19(火)

機能性表示食品制度における機能性関与成分の 取扱い等に関する検討会を開催

機能性表示について積み残し課題を議論へ


消費者庁は1月22日、昨年4月スタートした「機能性表示食品制度」の積み残し課題を議論する検討会を立ち上げる。同制度は企業の自己責任に基づき、消費者庁に有効性等のデータを届け出れば、サプリメントや加工食品などに機能性を表示できるが、ビタミンやミネラルなど対象外となる成分があり、今後の検討課題となっていた。新たな検討会ではこうした栄養成分のほか、有効成分が明確でない食品の扱いも取り上げる予定だ。

 

消費者庁は1月22日、機能性表示食品制度の対象成分を再検討するため、「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」を発足させると発表した。同検討会では、ビタミン・ミネラル類や関与成分が不明な食品について、制度の対象に追加するかどうかを検討し、今秋をメドに報告書を取りまとめるとの考えをあきらかにした。同検討会は学識経験者、消費者団体や業界団体の関係者など17人で構成しており、座長は寺本民生氏(帝京大学臨床研究センター長)が務める。検討項目は、①栄養成分の取り扱い、②機能性関与成分が明確でない食品の取り扱い、③その他。これらの課題について、安全性や機能性の担保などの観点から議論する。同時に、各委員から制度運用の改善点に関する意見を求める考えだ。制度の骨格を検討した消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が2014年7月に取りまとめた報告書によると、ビタミン・ミネラル類などの食事摂取基準で基準が策定されている栄養成分については、国の健康・栄養政策と整合性が取れなくなると指摘されている。さらに過剰摂取による健康被害が懸念されることもあり、ビタミン・ミネラル類などを制度の対象から外したという経緯がある。関与成分が不明な食品については、安全性や機能性の担保、さらには販売後の監視が困難になることから対象外とした。これに対して業界側が反発し、2つの問題は積み残し課題として位置づけられていた。また、昨年3月に閣議決定された「消費者基本計画」で、これらの積み残し課題については制度の施行後、速やかに検討に着手するとされていた。検討委員は次の通りで、制度策定時のメンバーから約半分が入れ替わっている。
【検討会委員(敬称略)】
赤松 利恵(お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授)
上原 明(日本OTC医薬品協会副会長)
梅垣 敬三(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所情報センター長)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)
河野 康子(一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長)
迫 和子(公益社団法人日本栄養士会専務理事)
佐々木 敏(東京大学大学院医学系研究科教授)
澤木 佐重子(公益社団法人全国消費生活相談員協会食の研究会代表)
関口 洋一(健康食品産業協議会会長)
田口 義明(名古屋経済大学教授、消費者問題研究所長)
寺本 民生(帝京大学臨床研究センター長)※座長
戸部 依子(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費生活研究所所長)
宮島 和美(公益社団法人日本通信販売協会理事)
宗像 守(日本チェーンドラッグストア協会事務総長)
森田 満樹(消費生活コンサルタント)
山本(前田) 万里(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所食品機能研究領域長)
吉田 宗弘(関西大学化学生命工学部教授・学部長)

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