2016.03.15(火)

市場拡大へ機能性素材としての潜在力に期待

機能性素材「プラセンタ」の今
エイジングケア訴求が認知向上の鍵


昨今、女性の美に関するコンセプトでは、「エイジングケア」が大きなウエイトを占めるようになっている。また、「美容」と「健康」は、もともと表裏一体といえるものであるが、抗老化などへ関心度が高まるにつれて、美と健康双方の機能性が確認されている素材などがさらに注目度を増しているようだ。ここでは、美容素材のなかでも健康機能をも備えた代表的な素材「プラセンタ」をピックアップし、メーカー各社の動向などを通して、機能性素材「プラセンタ」の“今”を探る。


「プラセンタ」の最大の魅力は、医薬品にも用いられてきた実績があることからもうかがえるように、健康・美容に対しても高機能かつ多機能性が期待できることにある。さらにそれらの機能性を裏づけるエビデンスデータが整備されていることも見逃せない魅力のひとつとなっている。
その一方、市場の変遷を振り返ってみると、数年ほど前から本来の「プラセンタ=哺乳動物の胎盤」という定義とは異なり、魚由来あるいは植物由来のプラセンタが登場したことなどから、市場の混乱を懸念する声もあがっていた。
これについては、公益財団法人日本健康・栄養食品協会(JHFA)が2013年9月にプラセンタ食品の規格基準(左図参照)を作成・発表したことで、プラセンタの原材料や表示方法の問題が整理さることになり、業界のコンセンサスがとられる格好になった。
こうした流れを受けて、プラセンタ市場は堅調に推移しているようだが、機能性素材として有している潜在力を踏まえると、まだまだその実力が発揮されていないようにも思える。
そこでプラセンタの主な機能性を列挙してみると、●血行促進作用 ●美白作用 ●基礎代謝向上作用●免疫賦活作用 ●細胞賦活作用●抗疲労作用 ●自律神経調整作用 ●抗炎症作用 ●活性酸素除去作用──などが確認されている。これらのほかにも揃っている各種のエビデンスデータを踏まえると、プラセンタ市場のさらなる認知向上と市場活性化のためのキーワードとして、「エイジングケア」が浮かび上がってくるのではないだろうか。すでに、そこにベクトルを合わせている企業も少なくないが、抗老化を訴求するうえでプラセンタは有力な機能性素材であることに疑いはない。末端商品においては表示等の問題から高機能かつ多機能性を十分に訴求できないという一面もあるが、たとえばエステティックサロンにおける施術との組み合わせによる訴求といった方法をさらに加速させることも一考に値するのではないだろうか。
プラセンタとは、日本語で「胎盤」。古代中国では「紫河車」と呼ばれ、強壮・強精に効果のある漢方薬として使われている。
胎盤を原料としてエキス化して注射剤にしたものが、肝臓病(慢性肝疾患における肝機能の改善)や、婦人科疾患(母乳分泌促進)、更年期障害の治療を目的として数種類、『特定生物由来製品・処方せん医薬品』の指定医薬品として認可されている。

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