2016.05.03(火)

健康維持・増進を栄養と食糧の観点から追求

特別インタビュー第70回日本栄養・食糧学会大会 中野長久会頭

健康寿命延伸に向けて

栄養学・食糧学分野においての研究発表、討論、検証の場として重要な学会

日本栄養・食糧学会は5月13日(金)~15日(日)、兵庫県 の神戸ポートピアホテルと武庫川女子大学で「第70回日本栄養・食糧学会大会」を開催する。栄養学・食糧学から幅広い知見が講ぜられ、特別講演、教育講演、国際シンポジウム等も行われる。同学会について、第70回大会会頭を務める中野長久氏(大阪府立大学名誉教授)に話を伺った。

ーーまずは、第70回を迎えます「日本栄養・食糧学会大会」について教えてください。

中野当学会は1947年(昭和22年)、敗戦後の日本の栄養不足を専門的に対処することを目的に、日本の栄養科学と食糧科学に関するトップクラスの専門家が集まり設立されました。以来、70年、当学会は国民の健康維持とその増進を、栄養と食糧の観点から追求し、我が国における栄養学・食糧学分野の研究と教育に中心的な役割を果たしてきました。第70回大会は学会として、最も重要な事業の一環であり、2007年に京都国際会議場で開催されて以来、9年ぶりの近畿開催となります。

ーー第70回大会のプログラム本紙4面参照)を見ると、様々な専門分野から最前線で活躍されている方々による講演等が目白押しです。特に生活習慣病対策に対して多角的な面からアプローチしていることがわかります。

中野 近年は時代の変遷に伴い栄養過剰へとなっています。理念自体も変化し、多様化してきており、当大会では特に予防医学の側面から生活習慣病対策の最前線における基礎研究の発表、討論、検証の場として重要な学会として位置付けられています。

ーー開催される3日間で、どのくらいの講演等が行われるのでしょうか?

中野 本大会では636題の一般講演登録がありました。参加者の事前登録は1200名余りです。

ーー636題とはすごい数ですね。

中野 多くの会員の皆様のお申込みに心から感謝申し上げます。大会当日の発表は全てOHCへ(書画カメラ)による口頭発表で行いますので、発表者の方は思うう存分熱弁を振るって頂きたいと思います。また、参加者の皆様は、特別講演で現代の最重要課題と最先端の情報に触れることができます。それに加えて教育講演4題、シンポジウム15セッション、関連学術集会6セッションが開催される予定となっています。さらに、スポンサード(ランチョン)セミナー(シンポジウム)が合計で14件開催される予定です。

 

「食生活改善から健康寿命延伸へ」をテーマにした
市民公開講座も

 

ーー今回の大会で新しい試み等はあるのでしょうか?

中野当大会から「学生優秀 発表賞」の授与が企画され、対象となる学生の皆様には口頭発表とポスターでの発表をお願いしています。スケジュールに関しましては、第1日目は兵庫県のみなと神戸のポートピアホテルで特別講演や受賞講演、懇親会を行い、2日目、3日目は西宮市で武庫川女子大学の学舎に場所を移し一般講演やシンポジウムを予定しています。また、毎年恒例の市民講座では、食生活が健康を左右することから、「今日の食事があなたの明日をかえる~食べ方上手で延ばそう健康寿命~」と題した講座を行います。まさに”健康寿命延伸”は今回の大会での大きな柱となっていますので、一般市民の方だけでなく、大会参加者の皆様にも奮ってご来聴頂ければと思います。

続きが気になる方はこちら!
TOPに戻る