今やエイジングケアの素材として定着したプラセンタ。美容、健康の両面から訴求できることや、一般消費者への認知度もあること、さらには医療分野でも活用されていることなどから市場は活況だ。
プラセンタは化粧品素材を中心に健康食品素材としても活用され、今やエイジングケアの定番商品として定着した。プラセンタは、もともと牛由来のプラセンタとして市場ができあがりつつあったが、2000年初頭にBSE問題が発生し市場に大きな打撃を与えた。その後、牛に変わる代替として豚由来にシフトされた。当時のプラセンタ製品のほとんどは化粧品であり、豚での使用感に疑問を持つ関係者もいた。しかし各企業の努力もあり豚由来のプラセンタの安全性が確認され、プラセンタ市場の礎を作ったと言っても過言ではなく、現在市場の多くは豚由来のものと推察できる。
その豚由来に一石を投じたのが馬由来プラセンタだ。2006年頃に北海道産サラブレッドの馬プラセンタが健康食品として販売会社によって発表された経緯があることから、おそらく、馬プラセンタが市場に出た初期の頃にあたる。
馬プラセンタの登場によりプラセンタ市場は勢いを増し、現在のプラセンタ市場の活況を築き上げたとも言えるのだ。今号ではプラセンタ市場の動向を探ってみる。
●馬由来プラセンタの市場動向を探る
サラブレッドプラセンタは馬由来プラセンタの中でも別格な存在
BSE問題を契機に豚由来プラセンタが市場を牽引していき、プラセンタ業界の基盤を盤石にしていったが、国産サラブレッド馬由来プラセンタが登場しプラセンタ業界に一石を投じた。サラブレッドという力強く、綺麗なイメージもあることから次第に国産サラブレッド馬プラセンタが注目されるようになった。特に、新規にプラセンタを販売する企業は先行する他社との差別化を図る意味で採用率が急増していった。
しかし一方では、商品化するまでのコストが高いという問題が生じる。国産サラブレッドの原料コストが高いためだ。それには大きな理由がある。