研究で明らかとなった食事、筋肉量、肝線維化進展の関係
大阪公立大学大学院 生活科学研究科 松本 佳也准教授、医学研究科 藤井 英樹講師らの研究グループは、NAFLD患者136名において、食事、筋肉量、肝線維化進展度の関連性を解析した結果、12の食品・食品群の摂取量から計算される日本食スコアが高いグループは、肝線維化進展度が抑制的であることを明らかにした。さらに、日本食パターンの中でも大豆製品、魚介類、海藻類の摂取量が多いグループは、肝線維化進展度が抑制的であることが明らかとなった。また、大豆製品の摂取量が多いグループは筋肉量が多く、筋肉量が多いグループは肝線維化進展度が抑制的であることもわかった。
この研究により、NAFLD患者の食事療法の1つとして日本食パターンが有効である可能性が見出され、今後さらなる介入調査を進めることで、有効な食事療法の確立に繋がることが期待される。
研究成果は、2月26日に国際学術誌「Nutrients」にオンライン掲載された。これまで日本において、NAFLDに対する食事療法で有効な候補はなかったが、今回「日本食パターン」がNAFLDの治療に有効である可能性が示された。介入研究によるさらなるデータ検証が必要だが、NAFLD患者の食事療法の1つの選択肢としての可能性が示された形だ。
