2023.09.12(火)

アゼルバイジャン共和国日記(第4回)

 8月に入り、気温も益々上昇し、「危険な暑さ」と言われるほどの夏の暑さが続き厳しさが続いてまいりました。皆さま方におかれましても、お身体のご健康にはくれぐれもお気を付けください。

 この時期になりますと暑さによる熱中症や夏のスキンケア対策として日焼け止めクリーム、帽子、サングラス、サンバイザー、日傘と夏を乗り切るために様々なアイテムを活用していますよね。

 

 そのなかでも日差しが強くなり、あちこちで見られる女性の日傘姿。

 

 美白ブームもあって若者から年配まで年齢層に関係なく日傘は日本では愛用されています。

 

 皆さんご存知でしたか? 実は日傘をさす女性は日本人だけです。また近年では猛暑の夏を少しでも快適に過ごすために男性も紫外線に対する意識や対策について日傘を使用することに肯定派が増えています。

 他の国では日傘は日本文化なのでアジアでたまに見かける感じくらいで、韓国や中国でも日本よりもずっと少ないですが女性が日傘をさしているようです。

 更に日本の日傘は、日本の伝統的な美意識に基づいて皮膚保護機能だけでなくファッションアイテムとしての側面も強調されています。

 

 私がアゼルバイジャン共和国を訪れたとても晴れた暑い夏の日、いつものルーティンである日傘を持って現地の人と待ち合わせ場所に行ったら「今日、雨は降らないよ!」と言われました。「これは日傘だよ。」と返したら「日傘がなんで必要なのですか?」と疑問に思われてしまいました。日本人が日常的に行っている”日傘を使う”という習慣は外国人から見ると不思議な光景に映り驚きや興味を引くものとなったのです。

 日傘は欧州やアメリカの一部の国ではファッションアイテムとしても用いられることはありますが中東近隣諸国アゼルバイジャン共和国の女性が日傘をファッションとして取り入れることはほとんど見られないからです。(パラソルならカフェ、ビーチにあります)

 日本の日傘文化の起源は古く江戸時代から存在していたとされています。第一印象では、日本の夏の風景は美しい着物姿や浴衣をまとった人々、青々とした自然、そして欠かせないアイテムである日傘で彩られています。

 

 一方で中東地域諸国の文化では長袖の衣服や帽子、更には伝統的なアバヤやヒジャブ、カフィヤなどの衣装が日差しを遮るために用いられています。これらの衣服は、地域の風土に合わせて作られたものであり日傘と同様にファッション防護策として利用されています。

 

 この地域はイスラム教が主要な宗教であり信仰に基づく習慣が広く尊重されています。日本では日傘をさすことが日焼け対策や美白を目的として一般的である一方、中東近隣諸国では肌の色に対する価値観が異なります。中東の文化では肌の色が日焼けしていることは豊かさや健康を象徴するものとされ、多くの人々がこのような「ブライトリング色」を求めています。そのため、日傘を使用して日焼けを防ぐというアプローチは中東の文化的な観点からは理解されにくいことがありました。一般的に紫外線から守るには日焼け止めクリーム、サングラス、帽子で十分だと考えられていました。

 近年では多くの女性が明るい肌色を好み、シミや肌のトーンの不均一さを改善するスキンケアに感心を持っています。

 中東の女性の間でもトレンドは常に変化し続けています。なんと最近では、中東でも日傘をさす人を見かけるとの情報があるそうです。日本や韓国、その他アジア地域などから訪れる人々が自分たちの習慣を持ち込んでいるようです。

 

 今後はますます様々な人種の観光客や駐在員も増えて、【日傘】などの新しい文化が普及するきっかけになりそうですね。

 異なる文化を尊重し習慣を理解することは相手の国や人々と友好な関係を気付くうえで非常に重要なことだと思います。適切なマナーや配慮をもって行動することが互いの価値観を尊重し合い、より豊かな国際交流が生まれることを期待します。

続きが気になる方はこちら!
TOPに戻る