2023.10.12(木)

健康食品・化粧品受託製造市場はともにプラス成長 〜 矢野経済研究所調べ 〜

●2023年度の健康食品受託製造(OEM)市場は前年比2.0%増の1,708億円超へ

 

 矢野経済研究所は、国内の健康食品受託製造(OEM)市場を調査し、市場概況や参入企業の動向、将来展望などを明らかにした。

 2020年度以降、コロナ禍でインバウンド(訪日外国人客)需要減少やリモートワークによる都市部店舗の販売不振が見られた一方、健康意識の高まりから通信販売を中心に健康食品市場は好調に推移した。また、中国や東南アジアを中心とした海外からの受注や越境ECでの販売が好調に推移し、それらの取引を有する健康食品受託製造企業の売上高が大きく伸長した。

 2022年度は、それまでの巣ごもり需要の反動減や中国等でのロックダウンの影響により、国内外からの受注が減少したが、後半からはいずれも回復に転じ、前年度比0.2%増と低成長ながらも市場は拡大した。

 2023年度は2022年度後半からの流れを受け、国内での新商品開発の加速、インバウンドを含めた海外需要の拡大が期待されており、2023年度の健康食品受託製造市場は同2.0%増の成長を予測する。

 一方、2022年度は原材料費に加え、包装材やエネルギーなどユーティリティコストの上昇が顕著となり、増収になった健康食品受託製造企業においても、取引価格に対する価格転嫁が追い付かず、減益となった企業が多く見られた。

 

●健康食品受託製造業界におけるDX・省人化(機械化・ロボット化)への取り組みが進展

 

 健康食品受託製造業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)を経営課題として掲げ、DX化を推進し検討する動きが広がっている。既に営業や管理部門において業務の効率化などを目的として、システム導入している企業があるほか、生産部門においても、DXへの取り組みによる電子化・ペーパーレス化に加え、生産管理システムの導入・代替に向けて検討・選定している企業が見られる。

 また、地域によって多少の差はあるものの、全体的に人手不足の問題が顕在化しており、省人化(機械化・ロボット化)への取り組みも進展している。製造工程での自動化・ロボット化などは、多品種少量生産を行う受託製造企業での取り組みが難しいため、包装・梱包工程などの比較的容易な範囲において、自動化やロボット化を進める動きがある。但し、多品種少量生産の中で、包装・梱包工程も多種多様であることから、営業部門と生産部門が共同で一定の規格化を目指す動きも見られる。

 

今後の健康食品市場は国内市場の大幅な成長が見込みにくい一方・・・・

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