2025.01.10(金)

中日本カプセルがグミ型サプリメントの製造を開始

グミの溶液をシリーコーン型に注入する製造装置

『健康食品GMP工場に設備を導入し小ロットでの供給が可能』

 

 健康食品の受託製造で業界を牽引する中日本カプセル(本社岐阜県大垣市、☎︎0584-93-1013)は様々な特徴のあるソフトカプセルの開発・生産を得意としている国内トップクラスの企業だ。その同社が設備投資を実施しグミの製造に着手。機能性のある食品成分を内部に充填したグミの受託製造を本格化させる。需要拡大が見込まれているグミ型サプリメントの受託開発・製造に小ロットから対応する。ソフトカプセルの製造を行う本社第三工場にグミの製造ラインを新たに導入し、二重構造(センターイン方式)グミを製造できるようにした。同工場は、(公財)日本健康・栄養食品協会による健康食品GMP適合工場認定の他、ISO22000認証をそれぞれ取得している。

 

 同社は1996年の創業以来、社名の通りカプセル剤形のサプリメントの受託製造を行ってきた。近年のグミ市場の急速な拡大を踏まえて、28年以上のサプリメントの製造の経験を生かしてサプリメントに特化した機能性グミの製造受託を開始するに至った。製造可能な機能性グミの特徴は下記の通りだ。

  • スターチモールド製法とシリコンモールド製法

 現在、グミのつくり方としては「スターチモールド製法」が一般的である。スターチモールド製法とは、木製又は樹脂製のトレイにスターチを敷き詰めて、グミの形状となる金型を押し当ててできた凹みにグミ生地を充填してグミを成型する製法である。グミ生地が接しているスターチに水分が移行することにより効率的な乾燥が可能であることと、専用の金型を製造することによりグミの形を自由に変更できる点などにメリットがある製法である。

 その反面、機能性成分が水分と共にスターチへ移行してしまう可能性やスターチの複数回使いまわしすることによる衛生管理の複雑さや製造工程内での飛散や堆積及び大量廃棄の問題がある。

 同社が採用したのはスターチを使用しないシリコン製モールドを使用する「シリコンモールド製法」だ。あらかじめ型が決まっているシリコン製のモールドにグミ生地を充填して成形・乾燥するためモールドへの成分移行の心配は極めて少ない。また、離形後にモールドを洗浄するためコンタミネーションの心配がなく衛生管理も容易であるため、機能性グミを製造するのに適した製法といえる。

 

  • グミベースの特徴

 製造可能なグミベースはゼラチン、ペクチン、ゼラチン+ペクチンの3種類ある。ゼラチングミは日本人に慣れ親しんだ硬めの食感を有する一方で、夏場の高温下では溶けやすく李製品化後の変形や付着が課題となる。ペクチングミはアメリカをはじめとする海外で親しまれている歯切れのよい食感が特徴であり、耐熱性を有するという利点もある。しかし、製造時に90℃以上に加熱しなければいけないため、熱の影響を受けやすい原料には不向きである。ゼラチンベースにペクチンを配合したゼラチン+ペクチングミは日本人に好まれる食感を有しつつ耐熱性を付与することも可能だ。一部製造上の制約はあるものの、あらゆるニーズに対応可能なグミベースで製造可能となっている。

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